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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

トキのえさ場には何がいる!?

2017年07月03日
佐渡 原奈緒子

みなさま、こんにちは

6月22日(木)に佐渡の行谷(ぎょうや)小学校にて「水辺の生きもの調べ」に参加してきました。


この生きもの調べは校区内のトキのえさ場となり得る場所で、生き物の観察をすることによって佐渡の自然や環境に対する興味を深めさせることを目的に2001年より行われています。全校生徒69名が参加し、4つの地区に分かれて行います。

▲長靴の上から水が入るのもお構いなしで水田の江(水路上の深み)に入る子供たち


▲生きものを捕まえたら、容器に入れて観察します

私たちはボランティアティーチャーとして参加しましたが、重要な注意点が1つあります。それは、生きものの名前をすぐに教えないこと。子供たちが自分たちで調べられる環境を作ることが大切なのです。実際に高学年の子は生きもの調べの経験も豊富になり、知識の豊かさに感心しました。このカエルはなんだろう、、サドガエルかな、、、と話しているとすぐに、「サドガエルはお腹が黄色いからこれはツチガエルだよ」と教えてくれます。私自身、トキのえさ場で実際に生きものの観察をするのは初めてだったので、水辺で観察できる生きものの種類と数の多さに驚きました。

▲生きもの図鑑を使って名前を教え合う子供たち

▲変態中のアマガエル

中には変態真っ最中のアマガエルもいました。「この尻尾はどうなるでしょう。」という問いかけに、答えるべくこの個体は学校に持ち帰って継続観察を行うようです。


今回観察を行った場所はトキの飛来が多く確認されるだけでなく、今の時期には屈指のホタル観察スポットとなります。

▲水辺を飛ぶホタル

今回の生きもの調べを通して、水田を含む水辺の環境はトキのえさ場となるのはもちろんのこと、様々な生きもののすみかとなり、豊かな自然を育む大切な存在であることを改めて認識しました。農業従事者の高齢化が進む中で、次世代をになう子供たちが佐渡の自然の豊かさを楽しみながら学ぶ様子を見て、この自然への興味を大人になってもぜひ持ち続けてほしいと勝手ながら思いました。