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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

足環装着って何?

2018年06月18日
佐渡

 皆様、こんにちは。

 新潟県佐渡市では、日中25℃を越える日が増え始め、夏の気配を感じるようになりました。

<佐渡市羽茂亀脇>

 この時期、自然界のトキたちの間では、ヒナの巣立ちが続々と確認されています。

<巣立ちしたトキの幼鳥>

上の巣立ちしたトキの写真を見て、何か気になることはありませんか?

自然界で巣立ったトキなのに、カラフルな足環(あしわ)が付いているんです。

この足環、いったいどうやって付いたのか。

今回は足環装着についてお話ししたいと思います。

そもそも足環は何のため?

 足環を装着すると、個々のトキを識別できるようになり、自然界のトキたちの動向や生存率が分かります。放鳥するトキ全てと、自然界で誕生したトキの一部(30羽程度)に足環を装着しています。

放鳥するトキは、放鳥前の飼育されている時期に捕獲され、足環を装着されます。

では、自然界の巣にいるヒナたちには、どうやって足環を装着しているのでしょうか。

答えは、「トキの巣がある木に登って、巣にいるヒナを捕獲し、足環を装着している」です。

~足環装着作業の流れ~

①樹上作業者がトキの巣がある木に登り、ヒナを捕獲します。

 捕獲したヒナは、専用のケースに入れられ、地上へ下ろされます。

<トキの巣がある木に登り、ヒナを捕獲する作業者>

<ヒナを捕獲する作業者 クロースアップ>

②地上にて、獣医師を含む作業者がヒナの身体測定と足環の装着等を行います。

 樹上作業者は、ヒナがいない間、巣の計測等を行います。

<捕獲され、地上におろされたヒナ3羽>    



<足環装着されるヒナ>


<雌雄判定のための羽毛採取>



<巣の計測>


<足環装着作業中、心配そうに巣上空を飛ぶ親鳥2羽>

③作業後、ヒナを巣に戻し、作業者は巣から離れます。

 モニタリング担当の職員が巣から離れた場所で観察を行い、親鳥が巣へ戻ったのを確認して足環装着作業の工程すべてが終了します。

<巣にもどされたヒナ>


<作業者が巣から離れたのを確認してから戻って来た親鳥>

※足環装着作業の際、親鳥は一時的に巣を離れることとなりますが、必ず巣に戻り育雛放棄することはありません。

※天敵となるカラスやテンなどが多い場所での足環装着は行わないなど、足環装着作業を行うことで生じるリスクを最小限にする様々な配慮や対策を講じたうえで実施しています。

 環境省は、トキのヒナの両脚が巣から出た時点を「巣立ち」と定義しており、巣立ったトキは、「ヒナ」から「幼鳥(ようちょう)」と呼び名が変わります。幼鳥は自由に飛べるようになると、島内を広く移動します。足環が付いていれば、どこで誕生し、何歳のオス/メスで、親は誰なのか等が分かります。

 このようにトキの動きを追跡することで、現在進められているトキの野生復帰事業を評価することができます。

 6月8日(金)には、第18回目となるトキの放鳥が行われ、日本の自然界に生きるトキはちょうど300羽となりました。この羽数も、足環によって個体の追跡ができているから出せる数字です。

<佐渡の自然界へ飛び立つ第18回放鳥トキ>

 いずれこうした追跡を行う必要がないほどにトキが増え、トキを支えることができる佐渡の豊かな自然がこれからもずっと続くことを願っています。