アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
お洒落な鳥は電線に
2020年03月17日
佐渡
皆様、こんにちは。
佐渡自然保護官事務所の近藤です。
先日、トキのモニタリングを終えて事務所に戻る途中、見慣れない鳥が電線にとまっていました。ムクドリくらいの大きさですが、顔に赤みがあるように見え、飛び方もムクドリとは違います。
双眼鏡を向けてみると、なんと!「キレンジャク」の群れ!
佐渡では毎年、秋から春にかけて飛来する冬鳥ですが、私は見たことがありませんでした。佐渡6年度目にしてようやく出会えたキレンジャクでした。
すらっと伸びた冠羽、顔には黒マスク、翼には黄色と赤のアクセント。羽毛感のないつるりとした体。
図鑑で見るたびに、洗練されたお洒落な鳥だなあ、一度見てみたいなあ、と思っていましたが、まさか電線を見たらとまっているとは。簡単に見つけられたことに拍子抜けしてしまい、なんだかおかしくて笑ってしまいました。
お洒落な鳥は、スズメやムクドリのように、普通に電線にとまっていました。
翌日、同じ場所を通ったら、尾羽の先が黄色のキレンジャクに加え、赤色をした「ヒレンジャク」も複数入っている40羽ほどの群れが電線にとまっていました。
これからさらに北を目指して海を渡っていくのでしょう。美しいこの小鳥たちが無事繁殖地にたどり着き、子孫を残せることを願い、私も電線から離れて事務所へ向かいました。
~レンジャク豆知識~
レンジャクの英名は Waxwing(ワックスウィング)=蝋の翼です。
キレンジャクの写真をもう1度ご覧ください。
キレンジャクの次列風切と三列風切の羽軸の先に、赤い蝋を塗ったような突起物があります。これが、英名の由来です。ちなみに、ヒレンジャクにこの突起物はありません。