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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

佐渡の珍鳥5選

2019年01月31日
佐渡

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

新潟県佐渡市はこの冬、雪が非常に少なく、例年よりも温かい日が続いています。


<佐和田海岸の夕日>


佐渡は日本海に浮かぶ島。海を渡ってやって来る渡り鳥たちの貴重な休息地・越冬地となっています。

今回は佐渡で確認された珍鳥5選をご紹介したいと思います。

1.【クロハゲワシ】 2017年12月 撮影

  学名:Aegypius monachus

  英名:Cinereous Vulture 

  全長:100~110㎝

2017年12月、佐渡では20年ぶりに飛来が確認されたクロハゲワシ(若鳥)。見たことのない大きさで、  飛んでいる姿は、まるで空飛ぶ畳!圧巻でした。クロハゲワシは、ヨーロッパ南部から中央アジア、チベット、中国東北部に広く分布していますが、日本への飛来は希な迷鳥です。お隣、韓国では、越冬しにやって来たクロハゲワシ保護のために餌付けが行われています。

2.【ハイイロガン】 2017年12月 撮影

  学名:Anser anser

  英名:Greylag Goose

  全長:75~90㎝

片脚を上げて加茂湖湖畔で休息するハイイロガン。2017年12月、佐渡では34年ぶりに確認されました。ハイイロガンは、オーストリアの動物行動学者、コンラート・ローレンツ博士が「刷り込み」を発見した種としても有名です。ヨーロッパ、中国北部などで繁殖し、アフリカ北部、ヨーロッパ西部、インド北部などで越冬します。ピンク色のくちばしがマガンとは異なる識別ポイントです。

3.【オオワシ】 2018年1月 撮影

  学名:Haliaeetus pelagicus

  英名:Steller's Sea Eagle

  全長:オス88㎝ メス102㎝

トビでもない、ミサゴでもない、大きな鳥が漁港にいる。と地元の方の間で話題になっていたそうです。日本では国の天然記念物に指定されており、環境省レッドリストでは、絶滅危惧II類に分類されています。ロシア東部で繁殖し、朝鮮半島・カムチャツカ半島、北海道・本州北部で越冬します。学名の「pelagicus」は「海の」を意味します。このオオワシの若鳥は、佐渡各地の漁港や海岸でたびたび確認されました。

4.【亜種 ハチジョウツグミ】 2018年1月 撮影

  学名:Turdus naumanni naumanni

  英名:Naumann's Thrush

  全長:24㎝


冬鳥として佐渡にやってくるツグミの群れの中に、1羽だけ赤茶色をしたツグミが。亜種、ハチジョウツグミでした。シベリア北部で繁殖し、中国北部で越冬します。ツグミは胸を張っているような姿勢が特徴的。小さいながらもピンッ!と背筋を伸ばして止まっている姿がなんとも愛らしい鳥です。もしツグミの群れを見かけたら、ハチジョウツグミが混ざっていないか探してみるのも面白いかもしれません。

5.【アカアシチョウゲンボウ】 2018年5月 撮影

  学名:Falco amurensis

  英名:Amur Falcon

  全長:27~30㎝

水田上空をホバリングする、ハトより少し小さい鳥を見つけました。サーっと降下し、水田横の杭にとまったところを撮影。アカアシチョウゲンボウでした。アカアシチョウゲンボウはウスリー、中国東北部などの限られた場所で繁殖し、アフリカ南部まで渡って越冬します。佐渡では5月、6月、10月の不定期に渡来記録があり、最近は観察例が増えているそうです。

さて、2019年はどんな鳥が佐渡にやってくるのでしょうか。今年も様々な鳥たちに出会えることを期待して、日々のトキのモニタリング業務に励んでいこうと思います。

~おまけ~

ハイイロガンと近藤の足跡