アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
退職のご挨拶
2021年07月05日皆様、こんにちは。
佐渡自然保護官事務所の近藤です。
このたび結婚が決まり、今月いっぱいで退職し、佐渡を離れて故郷の愛知県に戻ることになりました。
<近藤、フィールドにて>
2014年10月に着任してから約7年。
トキとともに歩む日々でした。
時系列に大きなイベントを振り返りたいと思います。
■2016年
放鳥されたトキではなく、野生下で誕生したトキのペアから42年ぶりにヒナが巣立ちました。日々観察を続けてきた私たちには感動の瞬間でした。
<野生下で誕生したトキのペアから誕生し、42年ぶりに巣立った幼鳥3羽>
■2018年
佐渡トキ野生復帰10周年記念式典の開催に関わり、同年、11年ぶりに中国から提供されたトキ、オスの楼楼(ロウロウ)とメスの関関(グワングワン)が佐渡トキ保護センターに到着する様子を見届けました。
<佐渡トキ野生復帰10周年記念式典の様子>
<佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションでのロウロウ・グワングワンの様子>
■2019年
トキの野生復帰が順調に進み、トキは環境省のレッドリストにおいて「野生絶滅」から「絶滅危惧IA類」に見直されました。
<あぜで休息するトキ17羽>
1羽1羽トキを観察し、個々の動向を日々追っていた私には、記憶に残るトキたちがたくさんいます。
<近藤の記憶に残るトキたちを取り上げたアクティブ・レンジャー日記記事>
「野生下で生きる」2020年3月9日
「野生復帰を支えたトキたち」2019年12月24日
「帰って来たNo.264」2018年11月30日
「孤高のメストキ」2018年07月27日
「海を渡ったトキたち」2018年11月6日
見上げればトキが舞う佐渡の空。
いつか本州でもこのような景色が見られることを心待ちにしています。
愛知県に戻っても、「トキと共生する佐渡の里山」として世界農業遺産に認定された佐渡の里山環境の素晴らしさ、佐渡に息づく伝統文化、そして大好きな佐渡の人たちの温かさを、自らの経験をもとに、広め続けていきます。
今後とも、佐渡とトキ野生復帰を応援いただけますと幸いです。
約7年間、本当にありがとうございました。
<2008年9月25日に行われた第1回放鳥の唯一の生き残りで、国内の野生トキでは最高齢(15歳)のNo.11。また会う日までどうか元気で。>