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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。

巣立ちの季節です!

2022年06月03日
佐渡

皆さん、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の右田です。

事務所近くの田んぼの畦にはトビシマカンゾウの花が咲き、初夏の景色が広がっています。

【田んぼの畦に咲くトビシマカンゾウ】

 

そして今年も野生下でトキのヒナが誕生し、巣立ちの季節となりました。

例年1月頃から求愛行動を行いつがいを形成して、2月頃から巣を作り始めます。3月頃には卵を産み、約28日でふ化、約40日で巣立ちを迎えます。

今年は5月26日に初巣立ちを確認しました。

【立ち上がって羽ばたきの練習をするヒナ】

 

現在、ふ化からおおよそ18日~25日経過したヒナに足環装着を行っているところです。

トキの捕獲は種の保存法や文化財保護法で規制されていますが、種の保存法に基づくトキ保護増殖事業の追跡調査のために足環装着を行います。足環装着によって、個体ごとの生存状況や繁殖状況を確認し、トキの野生復帰を進める際に重要な情報として活用しています。

【足環装着の様子】

 

足環装着作業の詳細については、過去のアクティブレンジャー日記でも投稿していますのでご覧ください。

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_足環装着って何? (env.go.jp)

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_野生下のトキのヒナへの足環(あしわ)装着 (env.go.jp)

 

そんな喜ばしい誕生の季節ですが、自然の厳しさを痛感することも多々あります。ふ化前に抱卵をやめてしまったり、天敵にヒナが捕食されたりと、子育てが順調にいかない場合もあります。ヒナへの足環装着もなかなか思うようにはいきません。

足環装着はタイミングが重要です。ヒナが小さすぎると足環をつけるのに十分な足の長さに達していない場合や、大きすぎると活発に動くため巣から落ちてしまう危険があります。このため、足環装着はふ化からおおよそ18日~25日の間に行っています。

そこで日々のモニタリング調査をしっかり行い、ヒナの日齢を把握しておく必要があるのです。

 

佐渡トキ保護センターの獣医師に日齢を見極めるポイントを改めて伺ったところ、一番わかりやすい判断基準は、羽軸から出る羽の房の大きさの違いとのことでした。

私たちはモニタリング調査で営巣状況を確認しながら、ヒナの大きさ、羽の状態や顔の色、行動などを見て確認しています。また、野外で撮影した映像を獣医師に見てもらい、判断を仰いだり、過去の映像と見比べながら日齢を判断していきます。

【足環装着時期のヒナの羽の様子】

※トキの繁殖に影響を与えないよう、できるだけ離れ、原則として車内からの観察、撮影を行っています。

 

現時点では、17羽のヒナに足環装着を行っています。

これからこのヒナたちが無事に巣立ち、幼鳥から成鳥となって命を繋いでいく日を楽しみにしつつ、地域の方々と見守っていきたいと思います。

【巣立ち前の家族団らん】