アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
第24回トキ放鳥 ~ハードリリース方式~
2021年06月18日皆さんこんにちは。
佐渡自然保護官事務所の菅野です。
佐渡では6月上旬に第24回トキ放鳥を行い、計17羽のトキが放鳥されました!
今回の放鳥も、昨年秋に実施された第23回トキ放鳥と同様にハードリリース方式(※1)とソフトリリース方式(※2)を併用して行いました。
この日記では6月5日に生椿(はえつばき)地区の棚田で行われたハードリリース方式での放鳥の様子をお伝えしようと思います。
佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの順化ケージで約3か月間の訓練を受けたトキたちを捕獲し、放鳥箱に入れて放鳥場所まで移動します。
▲トキを放鳥箱に入れる様子
トキ捕獲作業は獣医師と飼育員が中心になって行いますが、アクティブ・レンジャーも手伝いをします。その後ひと足先に放鳥場所に移動して会場の準備をします。
上の写真は、私の持ち場の様子です。
報道発表用の写真・映像撮影をする必要があるので、ビデオカメラや望遠カメラを用意してあります。
放鳥されたトキが直後に落下するなどの事故があった場合に備え、トキ用の捕獲網もすぐ手に取れる場所に置いておきます。
会場の準備が整った頃、トキの入った放鳥箱をのせた車が放鳥場所に到着します。
そのあと関係者やマスコミの方々が放鳥場所へ到着し、いよいよ放鳥が始まります。
今回はトキのためのビオトープ整備に関わっている団体の代表者等に放鳥者になっていただきました。
放鳥者が放鳥箱にかけられた赤と白のテープをハサミで切ると・・・
放鳥箱の扉が開き、トキが飛び立っていきます。
前回の放鳥時はあいにくの雨でしたが、今回は青空が広がる中、無事に全10羽が飛び立っていきました。
▲放鳥されたトキ
※1 ハードリリース方式
順化訓練後のトキを放鳥場所に移動し、直ちに放鳥する方式で、既存の群れサイズの拡大とトキの分布拡大を促すことを目的としています。
※2 ソフトリリース方式
放鳥場所で飼育し、トキが環境に順化したのちに放鳥する方式で、分散を抑制し、放鳥場所周辺での群れ形成を目的としています。