アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
親子でトキモニタリング体験!
2018年08月30日みなさん、こんにちは。佐渡の原です。
残暑はまだまだ厳しいですが、早生の稲はすっかり黄金色になり、秋はもうすぐそこまで来ているようです。トキたちは稲が生い茂る田んぼよりもあぜや草地を多く利用しています。
▲羽茂地区にてあぜ・草地で採餌するトキ12羽 8/28撮影
今回は8月17日に開催した親子を対象にしたトキの観察会についてご紹介します。
トキの放鳥がこの秋で10周年をむかえることを記念し、夏休み特別企画として「親子でトキモニタリング体験」を行いました。今回は5組12名の小中学生の親子に参加頂きました。トキはとてもおくびょうな性格なため、「トキのみかた」という地域ルールがあり、トキの行動を妨げないように気をつけています。観察会ではこのルールにもなっているトキが逃げない距離感(150~200m)を体感してもらいながら双眼鏡や望遠鏡を使って野生下のトキの観察をしました。観察しながら、トキとサギの見分け方や幼鳥の特徴などモニタリングのポイントを伝授していきました。
▲望遠鏡をのぞいて水浴びするトキの様子を観察します
そしてトキの大切な餌場である田んぼ!
生きものに配慮した農法で米作りをしている佐渡の田んぼは生きものの宝庫です。
観察会ではトキのえさ場である田んぼの生きもの観察も行いました。
▲サドガエルもしくはツチガエルの卵塊を発見!
卵塊がある場所は避けるようにして、生きものを捕まえました。
▲捕まえた生きものを観察しやすいように仕分けます
はじめは網を使ってでしか虫に触れなかったけれど、次第に自分の手で捕まえられるようになる子もいました。参加者からは「こんなに沢山の野生のトキに会えて親子で大喜びでした。子どももとても興味を持っていました。」「トキや田んぼの生きものに興味をもてるようになりました。」「田んぼの生きもの初めてみました。」という声もあり、トキだけでなくトキが生息する佐渡の素晴らしい自然について親子で楽しんで学んでもらえました。
現在、佐渡島内には350羽のトキが生息しています。今の子どもたちにとってトキは普通に見られる鳥になりつつあります。しかし、ここに至るまでに長い歴史と多くの人の努力があったこと、島ぐるみで取り組まれているトキの野生復帰の取組みをこれからの未来を担う子供たちに感じてもらい、繋いでいってもらうきっかけになればと思います。