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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

2021年も野生下のトキのヒナ誕生!

2021年04月28日
佐渡

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

佐渡では、田植え前の水田に水が張られ、水鏡に写る大佐渡山地が大変美しい季節になりました。

4月26日(月)、野生下のトキたちからヒナが誕生していることが分かりました。

<ヒナに餌を与える親鳥 2021/4/26撮影>

私たち佐渡のアクティブ・レンジャーはトキの子育てに影響のない離れた場所から観察を行っています。

具体的には、トキの巣がある林の外から、葉と葉の隙間をぬって覗くようにして巣とヒナの様子を確認します。

<木々の隙間から見えるトキとトキの巣 2021/4/26撮影>

巣は浅いお椀状に中央がくぼんでいるため、ヒナがいてもなかなか見えません。

親鳥がヒナに餌を与えようとすると、ヒナがくびを伸ばして親鳥に近付きます。そのときに初めて巣からヒナの頭が見えます。

<ヒナに餌を与える親鳥 2021/4/26撮影>

今季最初のヒナ誕生を確認したペアは、飼育繁殖で増やして放鳥したトキではなく、佐渡の自然界で誕生した野生のトキたちでした。

佐渡には、トキの餌場となる生きもの豊富な水田、ねぐらや営巣場所となる林が存在します。こうした佐渡の里山環境がトキをはぐくみ、トキの命をつないでいます。

今後の他のペアのふ化も期待しつつ観察を続けます。