アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
間もなく繁殖期!
2016年12月28日
佐渡
皆様、こんにちは。
<飛翔する16羽のトキの群れ:12/8撮影>
日本各地で鳥インフルエンザが猛威をふるっています。佐渡島内での発生は確認されていませんが、トキ関係者の間では緊張が続いています。
そのような中、佐渡のトキたちは着々と繁殖期に向けて準備を整えていっています。島内の複数のトキたちにおいて、繁殖期が近いことを知らせる羽色の変化が確認されました。
トキは繁殖期が近付く12月頃になると、首のあたりの黒い皮膚が厚くなり、粉状になってはがれ落ちます。これを水浴びをしてこすりつけることにより、頭から背中にかけて羽根の色を灰色に染めていきます。このように羽根の色を変えるのはトキだけだと言われています。
<着色が始まった個体(右)と、着色していない個体(左):12/8撮影>
灰色に染まった羽根は、トキが繁殖可能な状態であることを表すとともに、巣で卵を抱く際の保護色の役目を果たすとも考えられています。
今年は、放鳥したトキではなく、野生下で誕生したトキ同士のペアから「純野生トキ」が42年ぶりに巣立ちました。野生下で誕生したトキは生存率・繁殖成功率ともに高い傾向にあります。
来年の繁殖期の結果や、いかに。トキたちに期待して、モニタリングにのぞみたいと思います。
それでは皆様、よいお年をお迎えください。
トキに近づかず、やさしく静かに見守りましょう。
地域に迷惑をかけないようにしましょう。農地へ無断で入らないようにしましょう。
車から降りずに観察しましょう。
大きな音や光を出さないようにしましょう。
繁殖期間(2月~6月)は、巣に近づかないようにしましょう。