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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

中国からやってきました

2018年11月14日
佐渡 原奈緒子

こんにちは、佐渡自然保護官事務所の原です。

今秋の佐渡は天気が荒れることが少ないので、いつもより長い間紅葉を楽しむことができます。

▲大佐渡スカイライン沿いの紅葉


さて、10月は佐渡トキ野生復帰10周年の記念式典があったことをご紹介しましたが、それに引き続き、もう一つ大きなイベントがありました。10月17日に中国から新たに2羽のトキがやって来ました。提供されたのはオスの「楼楼(ロウロウ)」とメスの「関関(グワングワン)」の2羽でどちらも2歳です。中国からのトキの提供は2007年以来の11年ぶりとなりました。

▲中国から送られてきたときの移送箱

底は3層構造になっていて、扉には通気窓があります。移送中、通気窓は布で覆われて光が入らないようになっていました。この箱に入った状態で中国から成田空港までは飛行機、成田空港から佐渡まではヘリコプターで運ばれてきました。

▲ヘリコプターにトキを乗せて、成田から佐渡まで運ぶ様子。

トキの獣医師と自然保護官らが同乗しています。

はじめの2週間は自主検疫のため野生復帰ステーションの収容ケージに2羽を隔離収容していましたが、問題ないとの検査結果が出たことから、10月30日にはそれぞれペアとなる個体と一緒に佐渡トキ保護センターの繁殖ケージに移されました。

▲日本の飼育番号が印字された足環を装着する様子(オスのロウロウ)

▲野生復帰ステーションとトキ保護センターは車で10分くらいの距離にあります

▲繁殖ケージにペアとなる個体と一緒に入ったメスのグワングワン(地面にいる方)

獣医さんがそっと見守り無事にケージへの移送が完了しました。

現在、日本の野生下には369羽のトキが生息していますが、元をたどると中国から送られてきた5羽のトキのいずれかの子孫になります。

・1999年 友友(ヨウヨウ)♂・洋洋(ヤンヤン)♀ 

来日した年に日本で初めてトキの人工繁殖に成功し「優優(ユウユウ)」が誕生

・2000年 美美(メイメイ)

 優優のパートナーとして来日

・2007年 華陽(ホワヤン)♂・溢水(イーシュイ)

この5羽に今回提供されたロウロウとグワングワンが加わることで日本のトキ個体群の遺伝的多様性の維持・向上が期待されており、来春の繁殖期に無事にヒナが生まれてくることを心待ちにしています。

また、今回のトキの提供を通して、トキは日本と中国の友好のシンボルであることを改めて実感しました。両国で進められているトキ野生復帰事業がますます発展していきますように。

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