檜枝岐

2月の会津駒ヶ岳

2023年02月28日
檜枝岐 前川公彦

2月の会津駒ヶ岳

曇りの朝

みなさん、こんにちは。
こちら檜枝岐では1日に3回も雪かきをする日が続いたかと思えば、朝からの日差しで道路の雪も溶けてしまうような暖かい日もあり、この時期の天候は周期的に変化します。
2月の後半、檜枝岐の山、会津駒ヶ岳の利用状況確認のため巡視に行ってきました。厳冬期とはいっても、この日は曇りのためか余り寒さは感じませんでした。先ほどの周期でいえば暖かい日にあたったようです。歩き始めてすぐに蒸し暑さから防寒ジャケットを脱ぐと、ホッとした気分になりました。登り口からしっかりしたラッセルの跡がついていましたので、私たちもラッセルを付けてくれた人に感謝しながら利用させてもらいましたが、前々日に降った雪のせいかラッセルは30㎝くらいの深さがありました。
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登り始めの風景
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はっきりしたラッセル跡
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薄日が差し始める

中腹にて

中腹くらいまで来て下を振り返ると檜枝岐川をはさんだ対岸や日光方面の山々が見えました。はるか遠くまで続く山々を眺めていると、檜枝岐村の山深さを再認識させられます。また進む方向には木々の隙間から目指す会津駒ヶ岳方面の山が見えてきました。途中で3人の単独の登山者に会いましたが、3人とも近隣(南会津町や会津美里町、宇都宮市)から来たということで、早朝に家を出たり、やや遠い人は民宿を利用したということでした。2人はスノーシュー、1人だけがスキーでした。しばらく進むと稜線の左手側に燧ヶ岳や至仏山などの尾瀬の山々も見えてきました。森林限界から上は真っ白な雪で覆われ、山の形もはっきりしていました。
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檜枝岐村川対岸の山々
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大戸沢川
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燧ヶ岳

頂上直下にて

会津駒ヶ岳は登り始めと頂上直下が急坂になっており、中段は比較的なだらかで平原のような風景が広がっています。ここからは駒の小屋や駒ヶ岳山頂はもちろん、燧ヶ岳など尾瀬方面の山を正面に望むことができます。当日は風がない穏やかな日だったため、途中でお昼を食べている人もいるくらいでした。このあたりまで来ると雪が締っているためか、ラッセル跡以外でも自由に歩けるので足跡の数が増えていましたが、スキーの跡はありませんでした。途中で降りてくる数人のスノーシューのグループに会いましたが、ツボ足でラッセル跡を降りている人もいました。
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頂上手前の雪原
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会津駒ヶ岳山頂へ
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越後駒ヶ岳

山頂にて

ようやく山頂に着きましたがスノーシューグループが下山した後だったため、残っていたのは1人でした。私たちに続いて3人が登ってきましたが、1人は今年3回目、もう1人も毎年来ているという人、最後の人は冬の駒ヶ岳は初めてとのことでした。スキーの人は谷側を滑り、もう1人はスノーボードで尾根を下るとのことでした。初めて冬の会津駒ヶ岳に来たという人はスノーシューでしたので下りも尾根道になります。12月には2m近く高さのあった山頂標識は見ることができなかったので、今年は雪が少ないとは言われていてもあれから2m以上の積雪があったことになります。
山頂からは今までの尾瀬や日光の山に加えて、越後側の山脈(やまなみ)が広がっており、360度の展望を楽しめました。ここからの眺望は本当に素晴らしく、今の時期のこの景色を見るためだけでも登ってきたかいがあると思いました。この時期は東北側に位置している大戸沢岳を経由して会津駒ヶ岳に登ってくる人もいますが、この日は会いませんでした。
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越後側の山脈1
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越後側の山脈2
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尾瀬側の山脈

下山では

この日は私たちも含めて10人近くの人が会津駒ヶ岳に登っていましたが、ほとんどがスノーシューでした。山頂からはスキーで滑りましたが、気温が高かったためか、前々日に降った雪が大変重く感じられました。スキーが下手な私は体力の消耗を防ぐため、途中でスキーを諦めてツボ足で降りてきましたが、ラッセル跡はスノーシューで踏み固められていたため何とか歩くことができました。何度も来ているというスキーの人が「それでも(今日みたいに雪質が悪い日でも)こんな良い山はない」と言っていたのが印象的でした。
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沢まで降りてきました
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下山時
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会津駒ヶ岳の全景