2020年2月
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2020年02月04日長者ヶ岳・田貫湖で富士山撮影!
富士箱根伊豆国立公園 松岡宏明
皆さまこんにちは!
まだまだ寒いですが、2月になってだんだんと日も長くなってきましたね。
沼津管理官事務所の松岡宏明でございます。
先日の1月31日(金)に長者ヶ岳と天子ヶ岳を巡視してきました。長者ヶ岳と天子ヶ岳は、富士山の西側に位置していて、富士山を目の前に見ることが出来る場所です。また、田貫湖が近いことから「富士山と湖」という良い構図の写真を撮れるスポットです。今回は長者ヶ岳と田貫湖で撮影した写真を紹介しつつ、その魅力をPRしたいと思います!
早速ですが、長者ヶ岳山頂へ至る登山道途中の休憩スペースと山頂から撮影した写真が下の2枚です。
▲登山道途中の休憩スペースから撮影した富士山と田貫湖(手前の湖)
今の時期は空気が澄んでいて、富士山の輪郭がくっきりと見える日が比較的多いので、撮影をしに行くなら、オススメの時期です。山を登って眼前に富士山が見える風景は圧巻で、いつもその風景に癒されています。普段の巡視でこのような風景に出会えるので、綺麗な富士山を現場でみると沼津管理官事務所で働けてよかったー!と心から思えます。
また、今の時期に気になるのは残雪状況だと思います。1月31日の段階では、雪は山頂付近や中腹の日陰の部分に少しあるぐらいで、登るのは難しくありませんでした。
登るのは難しくないとはいえ、下山は用心が必要です。午前中に気温が上がり、雪が融けて冷たい空気に晒されれば、夕方から早朝にかけてはその部分が凍ってツルツルと滑ります。雪道に慣れていない方や心配な方はチェーンスパイクや軽アイゼンを持っておくと、転倒などの事故を防げると思います。自然の中に入ることは非常に楽しいことですが、常にリスクも伴っていることを認識して、より良い時間を過ごしてくださいね!
加えて、田貫湖畔の展望デッキから見える富士山も非常に綺麗だったので、それも載せておこうと思います。
▲田貫湖展望デッキからの富士山
この展望デッキは、田貫湖の南側にあり、富士山の有名な撮影スポットになっています。4月下旬か8月中旬ごろには、「ダブルダイヤモンド富士」(富士山頂から昇る朝日が光輝く様子が湖面にも映し出されることから、ダブルダイヤモンド富士と呼ばれている)が見られるので、その時期もオススメです。
なお、撮影するために展望デッキ上に三脚等を放置し、場所取りをするような人も見受けられます。このような行為は他の方の迷惑になりますので、ご遠慮いただくようにお願いします。
最後に、長者ヶ岳や田貫湖は富士山を撮影するには非常にいいスポットで、これらは「富士山がある風景100選」(http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html)に選定されている場所になります。他にも様々な場所が上記のWebサイトで紹介されているので、気になる方はチェックしてみるといいかもしれません!
皆さんが素敵な富士山の写真が撮れることを願っています!
沼津管理官事務所 松岡宏明(まつおか・ひろあき)
2020年02月03日自動撮影カメラに写った動物たち
南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華
みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
南アルプス自然保護官事務所ではニホンジカから高山植物を守るための対策業務の中の1つに自動撮影カメラの設置を行っています。自動撮影カメラを設置することで、ニホンジカの生息状況や移動経路を把握ための参考にすることができます。撮影された写真を見ると、シカ、シカ、シカ・・・!3枚目の個体はカメラのすれすれを歩いていたのか、顔面ドアップです!
他にも親子シカや群れで下草を食べている様子などが何枚もありました。24時間体制で撮影を行っているので、生活のようすがよく分かります。
ニホンジカが大半を占めている中、他の動物も写っていました。みなさんにもご紹介したいと思います。
【イノシシ】
森林や農耕地に生息しています。体についたダニなどを泥を浴びて洗い落とす習性があり、泥浴びに使う場所のことを「ヌタ場」といいます。山歩きをされる方はぜひ、探してみてください。突然ですが、クイズです!馬肉を使った鍋を「桜鍋」、鹿肉を使った鍋を「もみじ鍋」、イノシシを使った鍋を「シシ鍋」または「○○○鍋」、なんでしょう?・・・正解は「ぼたん鍋」です。味噌や醤油ベースで食べます。さっぱりとした脂でとてもおいしいですよ♪
【ツキノワグマ】
日本には本州に生息する「ツキノワグマ」と北海道に生息する「ヒグマ」の2種類がいます。過去に環境省が行った調査によると、全国の54.8%のメッシュで捕獲や目撃等の生息分布情報が得られています。日本の国土のおよそ半分の面積にクマが生息していることになります。しかし、西日本では森林開発などが行われているせいで生息数が少なくなってきています。九州のクマは絶滅、四国では数十頭しか生息していません。地域によって個体数に大きな違いがあります。私はまだ山や森の中でクマに遭遇したことはありませんが、いざ、遭遇したら慌ててしまう気がします・・・
【ニホンカモシカ】
名前に¨シカ¨とついていますが、¨ウシ¨の仲間です。国の特別天然記念物です。ニホンジカと違ってオスとメスに角が生えており、里山から高山帯まで広域に生息しています。ニホンジカの個体数増加により、カモシカの個体数が減少したという報告もありますが、現在は戻りつつあるようです。カモシカは岩がゴツゴツしていて足場が悪い場所でも生活できます。私は足場があまり得意ではないので、岩場が得意なスキルを分けてほしいです。
【番外編】
・・・イヌです。よく見ると首輪をつけているので、猟犬でしょうか。まさかワンちゃんが写っているとは・・・。自動撮影カメラならでは動物ですね。
山や森を歩いていて野生の動物に遭遇できることは嬉しいですよね♪野生の動物に遭遇した時はエサを与える、挑発させるなどの行為はせず、なるべくそっとして遠くから見守るようにしてください。
皆さん、こんにちは。
小笠原自然保護官事務所の齋藤です。
今回は「近自然工法による遊歩道整備」についてご紹介します。
【小笠原における近自然工法】
2014年より村が主体となり、北海道大雪山から「合同会社 北海道山岳整備」の皆様をお呼びし、千尋岩(ハートロック)の遊歩道整備や、桑の木山の遊歩道整備が行われています。
今回こちらの活動に参加しまして、近自然工法を学んできました。
北海道山岳整備では、近自然工法を、"自然界の構造を理解し、自然に近づける方法"と定義しています。
今回の作業では、小笠原特有の傾斜、滑りやすい赤土粘土に対して、重力のかかる方向を意識しながら、
つまり滑りにくい工夫をしながら、外来樹のモクマオウ、石を利用して整備を行いました。
【桑の木山 遊歩道整備】
整備箇所は二カ所。主に木材を利用する箇所と石材を利用する箇所です。
(ちなみに、木材は事前に別の場所にて、適したサイズの外来樹を見つけて切り倒し用意します 。石材は整備周辺箇所のものを活用します。)
▲木材利用の整備ポイント Before
木を置いたものの、まだ歩き辛い道です。
ここから手前の木材を安定させる為に、他木材と石を使い、ある仕上げを施します。
▲木材利用の整備ポイント After
先程の木材(この写真の中央の木材)に、上部を木材で支え、下方を石で支えています。
支えている木材は自立する木の根に、石は下方の木にも支えられているため、丈夫です。
仕上げとして、隙間に小石や土を入れて完成!歩きやすそうです。
▲石材利用の整備ポイント Before
通行箇所が小さくなだれてしまっています。ここに道を作ります。
▲石材利用の整備ポイント After
石を大中小、重力がかかる方向が中央に集まるように噛み合わせます。
こちらも仕上げに、小石と土を使いました。時間が経つほど隙間に小石や土が入り込み、
丈夫になります。
【整備中のポイント】
少し離れて見て、自然の中の風景に馴染んでいるか、格好良いかをチェックします。
これが人工物に目が慣れている私達には難しく、どうしても綺麗に作ろうとしてしまいますが、
自然の中に整然とされた風景はなく、頭で考えるより感性を使って整備する方が良いようです。
活動を通して、目の前で自然物を利用して道ができあがる様は、
「道が出来た」ではなく「道が治った!」というような感動を覚えました。
皆様にもその感動を味わって頂きたく、山岳整備様より、
今回の活動をまとめた動画を頂戴しました。
是非それぞれのBefore、Afterと、作業風景をご覧下さい。
Youtube <https://www.youtube.com/watch?v=yTarnvAkgEs>
是非広がってほしい技術なので"近自然工法"、このような整備や補修方法があるということを、
皆様も是非ご記憶下さいね!
以上