アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
毎年恒例の訪問客
2015年03月13日
尾瀬国立公園
10日から降り続いた雪で、すっかり冬に戻ってしまった檜枝岐村です。
とはいえ、不思議なもので、また雪が降ると何だか落ち着いたりもして・・・。
雪国の人達は昔からこんな気分で毎年春を迎えてきたのかもしれないと思うと、何だか感慨深いです。
さて、この時期に事務所の対岸に毎年訪れるお客様がいます。
天然記念物のカモシカです。
降雪が落ち着いて少し春らしくなってきた頃に、山から下りてきた姿を見ることができます。
この日は美味しそうに新芽をモグモグ。
そしてお腹いっぱいになったのか寝そべっていました。
こうしてのんびりと4時間ほど滞在して立ち去っていきました。
カモシカは好奇心が旺盛らしく、人間を見に来ることもあるそうです。
このカモシカも、食事のついでに、せわしなく働いている人間を観察しに来たのかもしれません。
カモシカは『シカ』とついていますが、分類上は『ウシ』の仲間です。
言われてみれば、このゆったりとした姿は、シカよりも放牧されている牛に近いような・・・気もします。
そんなカモシカですが、ニホンジカと食性が被ることもあり、ニホンジカの急激な増加によって生息域が追いやられていると聞きます。
あと1~2ヶ月もすれば、越冬の為に移動していたニホンジカの群れが檜枝岐にも帰ってくるでしょう。
ニホンジカに負けずに、来年もこの場所に姿を見せに来て欲しいですね。