ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年6月

24件の記事があります。

2016年06月21日あの道 この道 続く道

尾瀬国立公園 野原英廣

皆さんこんにちは!

平成19年に日光国立公園から
分離独立した29番目の国立公園・・・。

それが尾瀬国立公園なのですが、
元々日光と尾瀬は1つの公園だったと言うことは
近くにお互いがいるわけで、
そんな日光と尾瀬の境界を歩いてきました。

今回歩いたルートはこちら

(ざっくり描いたので参考までに)

尾瀬沼を出発して
黒岩山から日光との境界を歩き、
途中、鬼怒沼に寄り道してから境界を離れ、
低公害車が運用されている大清水に下りました。

途中、日光と尾瀬の境界では人の通りが皆無な為か、
登山道の真ん中にオサバグサが咲いていたりもしました。


また、
落ち葉などで元々狭かった斜面沿いの道が
埋まってしまい滑落の危険が高かったり、
多くの倒木によって登山道が分断され、
所によっては人の踏み跡のない開けた場所もありました。
ですので、自分の現在地や進むべき方角の把握など、
多少なりとルートファインディングの技術が必要なルートかと思います。

しかし、苦労して歩いてきた疲れも吹き飛ぶほどの
景色が私を待っていました。

(鬼怒沼湿原北端からの景色)

湿原の向こうにそびえるは
関東以北最高峰の「日光白根山」
湿原に出るまでは樹林帯だったので
なおさらこの景色に感動しました。

そして、
境界を離れ大清水に下っていると・・・

出ましたギンリョウソウ!
ハ虫類感のある容姿が本当に格好良い(私感が多分に含まれます)

鬼怒沼で休憩している時以外は

大清水に下りるまで誰1人とも出会わなかった
風と鳥の声しかしない静かなコースでした。

日光国立公園と隣接しているのに遠く感じるこの距離。

しかし

尾瀬を通るあの道も日光へと続く道であり、

尾瀬を通るこの道も他の国立公園へと続く道なのでした。


今回のルートは時間がかかるので頻繁に通れませんが、
また機会をみて歩きたいと思います。

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2016年06月21日目指せ火山博士!子どもパークレンジャーin箱根

富士箱根伊豆国立公園 箱根 後藤香奈

さてさて、今年もやってきました!
箱根での「子どもパークレンジャー」のご案内です!

「子どもパークレンジャー(箱根)」では、
火山の専門家や国立公園のレンジャー(環境省職員)の話を聞いたり、
自然保護や環境保全、火山による恩恵や災害・防災について、楽しみながら学びます。

今年は7月に開催されますので、夏休み中で興味のあるお子さんは
是非ご参加ください!



7月26日(火)
「目指せ火山博士!子どもパークレンジャーin箱根」
■主催:環境省 箱根自然環境事務所
■運営:NPO法人ホールアース研究所
■後援:箱根ジオパーク推進協議会

☆ 小学5年生~中学3年生 までの20名を募集しています ☆
※人数多数の場合は抽選させて頂きます。

環境省職員(レンジャー)のお話や、火山の専門家のお話を聞いたり、
火山の実験や自然観察など、当日は楽しめる内容が盛りだくさんです!
※大涌谷及び規制区域には入りません。

(平成27年火山の実験の様子)



詳しくは環境省のページ
開催場所の情報は箱根ビジターセンターのページを
ご確認ください。

皆さまのご参加をお待ちしています、

これから蒸し暑くなる一方ですが、
外に出るときは熱中症に気を付けてください!

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2016年06月21日第14回放鳥終了

佐渡 相原夏帆

 佐渡は田植えも一段落し、新緑のまぶしい季節となりました。

<水田にて休息するウミネコ>

 野生のトキは、繁殖が終わったペアが群れに合流しています。冬は2~3羽で探餌している様子がよく見られましたが、ここ最近は10羽近くの群れで餌を探す様子が見られるようになり、季節の変化を実感しています。

 6月10日から4日間をかけて、第14回放鳥が行われました。トキの放鳥は2008年に始まり、毎年春と秋の2回行っています。今回は合計18羽のトキが放鳥されました。

 放鳥されるトキは、観察時に遠くからでも識別できるよう、特別にアニマルマーカー(動物専用の染料)を使用して着色されています。この着色された羽は、一年ほどで生え替わります。

<上空を旋回するNo.255>

 今回の放鳥では、1日目に18羽中15羽が飛び立ち、残りの3羽は4日目に飛び立ちました。4日目は3羽まとまってドジョウを食べ、満腹になったところで野外へと飛んで行きました。

 放鳥されたトキは、その後地上に降りて探餌している様子や、ねぐらで休んでいる様子などが確認されました。うまく馴染めたようで一安心です。

 今年は野生下で生まれたトキ同士のペアからヒナが誕生し、無事巣立ちました。野生下のトキの生存個体数は160羽を超え、トキの定着・野生復帰に向けて新たな節目を迎えています。

 今回放鳥されたトキが繁殖に参加し、元気なヒナを見せてくれることを期待しています。

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2016年06月20日小笠原世界遺産センター(仮称)新築工事の様子 その3

小笠原国立公園 沼田伸一

遺産センター成長記、第3回目です。


ただ今は基礎のコンクリートを打っている最中です。
前回は、大きく掘って地中深く鉄筋が見えていましたが、
今は地下部分のコンクリも打って、もうすぐ基礎固めが終わりです。
来月には上に大きく変化しているか!?


余り変化のない写真を見ても面白くないので、キレイなお花の写真でも




この花はホウオウボクといい、マダガスカル原産。
沖縄とかでは街路樹として植えられているようです。ここ小笠原でも同じように街路樹として植

えられています。
漢字で書くと「鳳凰木」
まさに花が咲くとその名を示すような感じですね。
ホウオウボクは、世界で最も美しい木・世界三大花木と言われています。

小笠原の青い空にホウオウボクの赤い花が映える時、夏が来たーと感じます。

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2016年06月17日尾瀬を満喫する三つの方法

尾瀬国立公園 野原英廣

皆さんこんにちは。

今回は尾瀬沼ビジターセンターで催されるプログラムを御紹介。


毎日開催 朝9時30分より

「尾瀬を感じるミニツアー」

どなたでも気軽に参加できる

尾瀬沼集団施設地区近辺を巡るミニツアーです。

ミズバショウやニッコウキスゲなど、尾瀬沼のアイコン的存在以外にも

尾瀬を支え・彩るものたちはあるのです。

                               (ミニツアーの様子)

意識せず歩いていては気が付きにくい、

そんな尾瀬を感じることができます。


その他

金曜日・土曜日・祝日の前夜 19時より

「夜のスライドショー」

尾瀬沼に宿泊される方たちに、有意義な夜を過ごしてもらえるよう、

尾瀬の動植物や自然保護の歴史などを紹介します。

また、天気の良い日には夜の尾瀬を感じる

「尾瀬沼ナイトハイク」に変更する場合があります。

尾瀬で見る満天の星空は格別なものがあります。


日曜日(土日月の三連休では月曜日開催) 朝7時30分より

「日曜朝イチ観察会」

連日開催されるミニツアーよりも早い時間に行われます。

早朝ならではの風景や生き物たちを、より深く理解するためのプログラムです。

そんな日曜朝イチ観察会ですが、

この度、6月19日と26日に、早朝ならではの"鳥"に特化したプログラムを開催いたします!

柳澤AR監修のもと、鳥に始まり鳥に終わる

鳥づくしの内容となっております。

最近の尾瀬沼ビジターセンターの周りでは

イワツバメや

ハクセキレイ (写真は幼鳥)などなど

たくさんの鳥たちが生息しています。

中にはアレンジを加えて独特な鳴き声を発する鳥もいるのだとか・・・。

鳥が好きな人はもとより

朝から尾瀬を満喫したい方

他の人とはちょっと違う体験をしたい方

尾瀬に来られた方にオススメです!

鳥のさえずりが最も多いこの時期に、

ぜひ尾瀬沼に宿泊してみてはいかがでしょうか?


さ ら に

柳澤AR作成の展示コーナーに

(モデルはビジターセンタースタッフです。掲載に関して本人の了承を得ています)

檜枝岐村の猟師さんが保管していた

上質なシカの毛皮(冬毛)を追加展示しました。

同じくビジター内に展示してある他の毛皮とは違う

ふわふわもふもふ感を是非味わってみて下さい!

尾瀬沼ビジターセンターの最新情報は

Facebookをチェック!

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2016年06月15日富士山開山準備

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

今年も間もなく富士山の夏山登山シーズンを迎えます。

沼津自然保護官事務所も、開山に向けて様々な準備に追われています。

そんな中、私もARとして富士山での業務に向けて【体作り】をしています。

周辺の山へ登山に行ったりジョギングをしたり、きちんとした食事を摂るといった体力的な準備は、

富士山での業務をこなすためには欠かせません。

 

我々は仕事として富士山に登りますが、富士山登山を予定されているであろう方々は様々な目的があると思います。

山頂で御来光を見る、日本の1番高い場所に立つ、お鉢めぐりをするなど、それぞれの楽しみがあるでしょう。

山頂で御来光を待つ登山者(2015年8245:02撮影)

 


日の出の様子(2015年7224:40撮影)

 

富士山登山を楽しむには『安全に富士山に登る』『富士山登山のための準備をする』『富士山を知る』ことはとても重要です。

そういった情報を、環境省・静岡県・山梨県が共同で発信しているのが【富士登山オフィシャルサイト】です。

http://www.fujisan-climb.jp/index.html

 

「1度登るだけだから」と安易に考えず、『楽しかった』と言える富士山登山にするためにも、ぜひご活用いただき、富士山登山の準備をしっかり行ってほしいと思います。

大沢崩れ上から見た影富士(2015年7225:24撮影)

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2016年06月14日アクティブ・レンジャー写真展開催中!(日光湯元VC ~7月3日)

日光国立公園 太田祐司

日光湯元ビジターセンターで関東地区のアクティブ・レンジャーによる写真展が開催中です。

関東地方の国立公園/国指定鳥獣保護区で活動するアクティブ・レンジャーが撮影した写真で、雄大な自然や動植物など各地域の様子をご紹介します。

4月の小笠原母島をスタートし、来年3月の那須高原ビジターセンターまで、関東地区の主としてビジターセンターで開催されます。

日光湯元VCでは 6月11日(土)から7月3日(日)まで開催します。

http://www.nikkoyumoto-vc.com/





写真のほか、国立公園や生物多様性についてのパンフレットが無償配布されています。まとまって手に入りますお得です!!



現在、湯元VCの周りでは、シウリザクラが満開です。



梅雨時、表日光が雨でも奥日光が晴れということがあります。ぜひ、湯元にきてください。

雨でも、シウリザクラやVCの展示・アクティブレンジャーの写真展を見て、日帰り入浴を楽しむなどはいかがでしょうか?

ぜひ、おいでください。

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2016年06月13日2016年 田代山 山開き

尾瀬国立公園 野原英廣

皆さんこんにちは!

先日は南会津町、猿倉登山口において
田代山の山開きが行われました。
また、山開きにあわせて「尾瀬ごみ持ち帰り運動」も実施されました。

普段の田代・帝釈山とは打って変わって、
この日は多くの登山者で賑わいました。
記念に配布された鈴付きの登山記念手形をバックに携えて
一斉に登る姿に圧倒されてしまいました。

そんな我々を出迎えてくれたのは


葉が6枚にならないと花をつけないゴゼンタチバナや、

鶴が舞う姿を連想させるマイヅルソウ


ベニサラサドウダンが咲いていました。


ギンリョウソウもひっそりとお出迎え。

また、田代山の平らな山頂にある田代湿原に出ると



イワカガミ・タテヤマリンドウ・チングルマ・ヒメシャクナゲ



白いふわふわの果穂をつけたワタスゲが待っていました。

湿原の水が少なく、乾いている感じを受けましたが、
それでもしっかりと生命は息づいていました。
これかも、色々な表情をみせてくれる尾瀬から目が離せません!

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2016年06月10日今を彩る植物は

尾瀬国立公園 野原英廣

尾瀬沼周辺のミズバショウは大きくなった葉だけを残し
ひっそりと姿を変えてしまいました。

そんな中で他の花たちがすぐに台頭してくるのかと思いきや、
今一番の勢力を誇っているのはタテヤマリンドウです。


ワタスゲと共に雪解けの湿原を盛り上げていた立役者です。

一方のワタスゲは・・・


少々しょんぼりしていますが
白い綿毛のような果穂をつけ始めていました。



所変わって田代・帝釈山地域では
日本固有種のオサバグサが見頃を迎えております。

小さくて可憐な花と、シダのような葉っぱが独特な雰囲気を醸し出して、

疲れた体を癒やしてくれそうです。

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2016年06月10日42年ぶり!「純野生トキ」、巣立ち!

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。


 佐渡では日中、汗ばむ陽気になりました。
 昼間のトキたちは暑さから、口を開けて呼吸をし、体温調節をするようになりました。

 さて、佐渡ではトキのヒナの巣立ちが続々と確認されています。
 6月1日(水)には、1974年以来、42年ぶりに、日本の野生下で生まれ育ったトキのペアから誕生したヒナ、「純野生」トキの巣立ちを確認しました。

<巣立ちした純野生トキのNo. A45>

 環境省では「両脚を巣の外に完全に出すこと」を巣立ちと定義しています。

 トキの放鳥が始まってから8年。かつて日本中の空を飛び回っていたトキたちと同じように、人の手から離れ、みずからの力で生き抜いて行く、野生トキのペアから誕生したヒナの巣立ち。真の野生復帰への大きな一歩と言えるでしょう。

 「純野生」トキたちが、来年も再来年も誕生し、佐渡だけではなく、再び日本各地の空を飛び回る姿が見られる日が来ることを願うばかりです。

 巣立ち後もずっと観察できますように。逞しく生き抜いて行ってほしい。

 祝!純野生トキ誕生・巣立ち!!

<2016/6/10現在、育雛中の野生下生まれ同士ペアとヒナ2羽>

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