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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

尾瀬国立公園 片品村の冬

2019年02月07日
尾瀬国立公園 尾池こず江

 新年を迎えたと思ったらあっという間にもう2月ですね。尾瀬国立公園片品自然保護官事務所の尾池です。立春が過ぎると暦の上では「春」に入りますが、尾瀬ではまだまだ数メートルの雪に覆われています。10月末頃にビジターセンターがクローズしてから、5月中旬頃の山開きまでほとんど人が入らない冬山となります。約半年もの間静かな尾瀬では、雪の下で植物が眠っています。5月中旬以降雪解けとともにミズバショウやザゼンソウが顔を出し尾瀬シーズンの始まりを感じることができます。とても待ち遠しいですね。

冬季中は片品村戸倉~鳩待峠間は通行止めになります。

 尾瀬に入る機会も減りなかなか尾瀬の現地がお伝えできないのですが、オフシーズンでも片品自然保護官事務所では会議や様々な調整、データの集計など来年度に向けての準備等がたくさんあります。今回は片品自然保護官事務所付近の様子や尾瀬に関わる出来事等をお伝えしたいと思います。

尾瀬国立公園のもう一つの事務所、檜枝岐のアクティブレンジャーも書いていますが、こちら片品の事務所でも積雪があると除雪作業がとても大変です。年末年始に体に蓄えたモノをやっつけようと除雪で体を動かしつつ、流行りのインフルエンザにも負けずにこの冬を乗り切ろうと頑張っています。

事務所付近の様子(一晩で40㎝程積もった雪)

 さて、年末年始頃の出来事になりますが、1217()に群馬県立尾瀬尾瀬高等学校(通称、尾瀬高)へ出向き保護官が「日本の国立公園における自然保護官の役割」という内容の講座を行いました。尾瀬高には自然環境科があり、校外実習で尾瀬に入り調査等もしています。昨年の夏にはシカのライトセンサス調査や植生調査にも同行させていただきました。また環境大臣政務官の尾瀬現地調査の際には意見交換会にも出席していただき、尾瀬に関わることの多い学校でもあります。この講座の最後には、生徒や先生からも積極的に質問があり、とても貴重な経験だったと感じています。

講座の様子

 また、1220()には尾瀬国立公園適正利用の推進に関する小委員会があり、尾瀬全体を視野に入れた適正利用の促進に関する議論がありました。今年に入ってからは、122()に「尾瀬国立公園シカ協議会」が開催されました。尾瀬のシカ問題は尾瀬地域だけでなく、周辺との連携を強化しながら対策をしていく必要があり、県をまたいで広域に移動するシカの対策を各主体が積極的に取り組みがされています。様々な観点からの取組発表や有識者の先生がたからのお話を聞き、シカ対策の重要性をさらに感じました。また、片品自然保護官事務所ではアクティブレンジャーがシカの移動経路にセンサーカメラを設置し、毎年データを収集し経年変化を見ています。シカを相手に状況の変化に応じて対応していかなければならないということもあり、なるべく多くの情報を把握できるよう続けていくべきだと思っています。

尾瀬国立公園シカ協議会の様子

会議が多い冬ですが、尾瀬の生き物達にまた会えるのを楽しみに準備していきたいと思います。

まだまだ寒い日が続きますが、みなさん風邪など引かないようにお過ごしください。