ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年8月28日

2件の記事があります。

2020年08月28日白浜巡視清掃

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

お盆は過ぎたというのに、日本列島各所で酷暑が続いていますね。

それでも、箱根事務所は室内にいると涼しく、扇風機でこの夏を過ごしています。

さて、箱根には芦ノ湖という湖があり、その湖畔に「白浜」という場所があるのをご存じでしょうか。

【芦ノ湖 白浜】

【白浜看板】

芦ノ湖西岸コース散策路の近くにあり、休憩するには素敵な水辺です。

対岸の駒ヶ岳という山を、きれいに見ることが出来ます。

カヌーのアクティビティに地元の観光ガイドさんたちが利用していたりもします。

先日はこの白浜の清掃に行ってきました。

BBQゴミの放置が全国で問題となっている昨今、この白浜でも出てしまいました...。

【置き去りのごみ】

BBQのごみ以外にも、釣りの道具が放置されていました。

(この糸に絡んだり、針を飲み込んだりして、水鳥が命を落としてしまいます。)

白浜は、国立公園の特別地域に指定されており、このような地域では自然公園法により、

テント設営には事前に許可を得る必要があります。(宿泊を目的としたテント設営は禁止です。)

また、火気の使用もBBQを含めて禁止となっています。

ですが、この白浜では最近そのような利用が増えているようです。

全部禁止と看板を設置したら、このような利用は無くなるのでしょうか?

でもそのような看板だらけの白浜は、果たして美しいといえるのでしょうか?

そして、本当にゴミの放置をやめてもらえるのでしょうか?

使う人たちのマナーが問われます。

美しい自然を保全しながらの使用を、皆さんに心がけてもらえると嬉しいです。

掃除をし終えると、ご褒美のようにカワセミが飛んできてくれました。

これはうれしい!芦ノ湖に喜んでもらえた気分です。

【カワセミ】

今後も定期的に、巡視清掃をしていきます。

自然の中で遊んだ後は、お弁当も水筒も、持ってきたものすべてを必ず持ち帰ってください。

何かを持ち込むのではなく、そこにある自然そのものを堪能してはいかがでしょうか。

きれいな白浜を、きれいなままで、誰もがずっと利用できますように。

マナーを守って自然と上手に付き合い、喜びや感動を分けてもらいましょう。

【清掃後の白浜】

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2020年08月28日【小笠原】夏に咲く涼しげな花

小笠原国立公園 小笠原 近藤希

みなさん、こんにちは。小笠原の近藤です。

内地では連日記録的な暑さが続いているようですね。

小笠原も暑い日が続いており、毎日アイスが欠かせません。

さて、今回は先日巡視を行ったこちらの植物をご紹介したいと思います。

白い4枚の花びらが特徴的なこの花は、「ムニンノボタン」です。可憐な感じが可愛らしいですね。

まれに花びらが5枚の場合もあるそうです。いつか見つけてみたいと思います。

▲ムニンノボタン -ノボタン科ノボタン属-

父島だけに生息する固有種で、環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠA類に入っています。

絶滅危惧ⅠA類は「ごく近い将来における野生での絶滅の可能性が極めて高いもの」をいいます。

絶滅から守るため、種の保存法に基づく保護増殖事業※の対象にもなっています。

生育地は、林縁や台風で大木が倒れるなどして光が差し込むようになったギャップと言われる場所です。

夏のギャップでの巡視は人間には暑いです・・・

▲ムニンノボタンの生育地

ちなみに、母島にはハハジマノボタンが、北硫黄島にはイオウノボタンがあります。

ハハジマノボタンの花びらは淡い赤紫色、イオウノボタンは紫色だそうです。

どちらもムニンノボタンより花びらは一枚多く、5枚です。

次回母島でハハジマノボタンの花に出会えたら、またアクティブレンジャー日記でお伝えします。

▲巡視した夜明山から見た景色。暑さも吹き飛びます

※保護増殖事業とは

国内希少野生動植物種のうち、その個体の繁殖の促進、生息地の整備等の事業の推進をする必要がある場合は、保護増殖事業計画を策定し、実施しています。

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