ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年12月 3日

3件の記事があります。

2020年12月03日ねぐら出一斉カウント調査

佐渡 菅野萌

皆さんこんにちは。

佐渡自然保護官事務所の菅野です。

佐渡の紅葉もピークを過ぎてきたようで、いよいよ冬が迫ってきていることを実感します。去年はそれほど多く雪は降りませんでしたが、今年はどうなるのでしょうか。

▲葉が散ってしまう前に、なんとか秋らしい写真が撮れました

さて、そんな中11月17日~20日に今年2回目の「トキのねぐら出一斉カウント調査」が行われました。

これは、ねぐらから飛び立つトキを一度に数える調査で す。ねぐらに集まるトキが最も多くなる9月と11月に、環境省が地域の活動団体の皆様と協力して行っています 。

この調査で得られた記録は、佐渡島内の野生下トキの個体数を推定するために使われます。

「一度に数える」とは言っても、野生下のトキは島内のあちこちに分散しており、ねぐらもたくさんあります。到底1日では調査できないので、島内を大きく3つのエリア(東側:両津・新穂・金井地区、西側:畑野・真野・佐和田・相川地区、南側:羽茂、赤泊地区)に分けて、計3日間(追加調査を行うこともあるので4日間になることも)で調査を行っています。

普段のモニタリングは環境省・新潟大学・地域のボランティアの方々からなるモニタリングチームで行っていますが、この調査を行うためには各ねぐらを観察する調査者が足りません。そこで「人・トキの共生の島づくり協議会」の構成団体やその関係者にも協力してもらい、今回は計39名で調査を行いました。

▲ねぐら出するトキ(この写真は別の時期に撮影したものです)

この調査の前にモニタリングチームではトキのねぐら探しを行います。

トキは毎日特定の場所でねぐらをとるのではなく、頻繁にねぐらの場所を変えます。そのため、急に新たなねぐらが出来たり、今までたくさんのトキが使っていたねぐらが使われなくなったりすることもあります。一斉カウント調査で正確にトキの個体数を数えるためには、事前にトキがねぐら出している場所を把握しておく必要があります。

使っているねぐらを見つけるには、過去にねぐらになっていた記録のある林や地域住民の目撃情報があった近辺の林を観察し、ねぐら出があるかどうかを確認します。

時には、エサ場におりているトキの羽数と、その周辺のねぐらから飛び立ったトキの羽数の違いもヒントになることがあります。

例えば、観察していた各ねぐらから飛び立ったトキが合計5羽だったのにもかかわらず、周辺のエサ場に10羽もトキがいたとしたら、その付近に別のねぐらがあるかもしれない!と考えるのです。

ちょっとした推理ゲームみたいですよね。

▲他の場所からねぐら出しているのかも!

もっとも、遠く離れた所からねぐら出したトキが飛んできて合流しただけとも考えられるので、その辺りは他の地点の記録なども参考にしながら判断します。

そんな事前調査を終えて迎えた調査当日。

トキは日が昇り始めると活動しだすので、調査者は日の出前に各ねぐら周辺にスタンバイします。最初は暗い車の中で一人ねぐら出を待つので寂しいのですが、辺りが明るくなり始めるとトキのねぐら出があちこちで始まり、「○○から20羽出ました!」「××から3羽!あっ・・・4羽!」などと無線が飛び交って賑やかになります。

ちなみに、私も調査日1日目と3日目はねぐらの付近でスタンバイして羽数を数える役割でしたが、残念ながら両日とも私が観察していたねぐらからはトキが出てきませんでした・・・・。

さて、今回の調査結果ですが、佐渡島内24か所のねぐらから合計388羽のねぐら出を確認することができました!現在、島内には野生下のトキが458羽生息していると推定されているので、8割程度の確認となりました。

次のねぐら出一斉カウント調査は来年の9月。

その頃には、野生下のトキはどのくらいの個体数になっているのでしょうか。

▲多くのトキがいる平野部からはずいぶんと離れた場所でねぐら出していたトキ

追加調査で確認したこのトキたちもきちんとカウント数に含めました

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2020年12月03日【那須】那須高原におけるオオハンゴンソウ駆除活動結果報告

日光国立公園 菅野敬雅

 こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

 令和2年度に那須管理官事務所で実施しましたオオハンゴンソウ駆除活動の結果についてご報告いたします。

■活動の背景

 那須高原地域では、過年度より特定外来生物であるオオハンゴンソウの侵入・生育が確認されてきました。オオハンゴンソウの侵入による影響として在来植生との競合が危惧されています。

 那須管理官事務所では、平成21年度より那須高原地域においてオオハンゴンソウの駆除活動を地元ボランティアの協力のもとで実施しています。

 

▲特定外来生物オオハンゴンソウ         ▲大丸浄水施設における駆除活動の様子(R2/6/4撮影)

■令和2年度活動結果

①定期活動(地元ボランティアの協力のもと行う駆除活動)

 今年度の定期活動は計5回(6/4、6/18、7/16、8/20、9/10)実施し、合計参加者数49名、合計駆除数4183本でした。活動場所と経年駆除実績は以下のとおりです。

▲主な駆除活動場所

▼経年駆除実績

②三斗小屋宿跡での駆除活動(那須塩原市環境課と共同で実施)

 平成27年度より那須塩原市指定の史跡である三斗小屋宿跡において、オオハンゴンソウの駆除活動を実施しています。今年度は感染症対策のため規模を縮小して8/7に実施しました。

 この場所ではオオハンゴンソウが大群落を形成しており、抜き取りによる駆除が難しいことから、刈払機を用いて刈り取りを行っています。刈り取りは草丈や種子生産を抑制する効果がある一方、個体数の減少には繋がりづらいため、今後どのように駆除を行っていくかが課題となっています。

▲三斗小屋宿跡における駆除活動の様子(R2/8/7撮影)

③他団体への活動協力

 8/2に実施された那須高原ビジターセンター主催の「那須染めワークショップ~オオハンゴンソウでトートバックを染めよう~」に協力し、外来生物についてのレクチャーを行いました。

 8/6に県立那須高等学校による八幡つつじ園地における駆除活動に参加しました。また、7/21には高校生に外来生物についての事前レクチャーを行いました。

 

▲オオハンゴンソウを用いた那須染め       ▲高校生への事前レクチャーの様子

 今後も粘り強く活動を継続し、那須高原の生態系保全に努めていきたいと思います。

 那須管理官事務所では、令和3年度のオオハンゴンソウ駆除活動にご協力いただける地元ボランティアを随時募集しております。お気軽に那須管理官事務所(0287-76-7512)担当菅野までお問合せください。

○令和2年度活動計画についてはこちら

◎特定外来生物についてはこちら

◎オオハンゴンソウについてはこちら

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2020年12月03日アクティブ・レンジャー写真展in伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」<沼津・下田合同開催>

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

あっという間に12月ですね。ここ数日業務もプライベートも年末を感じる忙しさで慌ただしく充実した日々を送っています。ふと新年に立てた目標を思い出そうとしましたが、何も思い出せません、、、

一緒に目標を立てた管内の同僚に聞いてみようと思います。思い出せない時点で達成していない可能性が高いですよね。年末まで気を引き締めてがんばろうと思います。

今回は12月3日(木)より沼津・下田管理官事務所で合同開催している"環境省 アクティブ・レンジャー写真展in伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」"のご案内をしたいと思います。

関東地方環境事務所管内には、6つの国立公園、15の国指定鳥獣保護区があります。それらの地区に配置された環境省職員「アクティブ・レンジャー(以下、AR)」が日々の業務で撮影したひとコマをご紹介します。

会場には、各AR選りすぐりの一枚が展示してあります。写真以外にも「アクティブ・レンジャーとはどんな仕事をしているのか?」を紹介したパネルや、撮影したARの紹介などもありますので、併せて見ていただき国立公園の事やARについて少しでも知っていただければと思います。

【 展示の様子 】

会場の「ジオリア」では、ジオシアターによる伊豆半島の成り立ちや、プロジェクションマッピングを使った伊豆半島の地質や各地の魅力、温泉分布などを知ることが出来ます。ジオリアに立ち寄り伊豆半島の歴史や見どころを知ることで、より一層旅が楽しくなること間違いなしです。

【 ジオリアの展示を説明する専任研究員の朝日さん 】

開催場所/開催期間

<場 所>

伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」

静岡県伊豆市修善寺838-1 修善寺総合会館内

<期 間>

123日(木)~ 126日(火)9:3016:30

休館日:水曜日、年末年始(12月30日~13日)、11613時以降

開催事務所の沼津管理官事務所からは富士山の湧水が流れ落ちる白糸の滝と、伊豆山稜線歩道・猫越岳山頂の池で見つけたモリアオガエル、下田管理官事務所からは奥石廊に広がるユウスゲと、爪木崎の青い海の写真4点を展示しています。その中から2点紹介します。

【 また来年この場所で  撮影:山田(沼津)


【 楽園の冬  撮影:齋田(下田)

普段から頻繁に国立公園内の巡視をするアクティブ・レンジャーならではの珠玉の一枚をぜひ会場でご覧になって下さい。お待ちしております。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策については施設の指示に従って下さい。

▼伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」

https://georia.izugeopark.org/

▼開催案内

http://kanto.env.go.jp/to_2020/2020_6.html

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