ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年4月16日

2件の記事があります。

2021年04月16日春がダッシュでやってきた!【富士五湖地域】

富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒

こんにちは。富士五湖の小西です。2021年度もどうぞよろしくお願いいたします。
(4月の初旬にこの日記を書き始めましたが、他業務で投稿が2週間ほど遅れてしまいました!ネタが少し古くなってしまってすみません・・・・)

3月最後の週末、実家(神奈川県)に帰っていましたが、その頃神奈川県は桜がちょうど満開でした。山梨に戻ってくる際に見えた富士山はその週末の悪天候で山頂がさらに白くなってまだまだ冬の装いでした。


新雪をかぶった富士山(3月29日)*
(*インターネット自然研究所(富士山北麓フラックス観測サイト)映像を使用)

それを見て、

『AR日記に「富士五湖の春はまだまだです!」と書こう・・・』

と思っていたら!なんと富士五湖地域でもその数日後には桜があっという間に咲き始めました!

例年であれば今頃が咲き始めるので、2週間ほど早い開花な上、様々な花が競うように咲き出し、いつもならソメイヨシノより後に咲く山梨県花でもあるフジザクラも一気に花開き、春がまさにダッシュで来たようでした。


富士五湖の春を彩る代表的な花 ミツバツツジ(左)とフジザクラ(右)(4月16日撮影)



すでに散ってしまっている場所が多くなってきましたが、富士山のすそ野に位置している富士北麓のいい点は、標高に合わせて花期が移動していくので長く楽しめるところです。

標高の高い場所ではまだ楽しめますので、富士五湖地域でのお花見をお考えのみなさん、今年はお急ぎください!


桜の人気スポット。奥に富士山見えてます!(忍野村新名庄川*国立公園外)(4月12日撮影)


標高1100mはちょうど満開でした!(創造の森周辺)(4月15日撮影)

●桜開花情報●
 富士吉田市内 開花情報
 https://fujiyoshida.net/feature/sakurakaika/sakurakaika(富士吉田市観光ガイド)
●イベント情報●
 新倉山浅間公園さくらまつり:43日~18日(すでに葉桜のようです)
 https://fujiyoshida.net/feature/sakura/index(富士吉田市観光ガイド)
 ふじざくら祭り:4月19日~5月2日(予定)
 https://fujiyoshida.net/event/142(富士吉田市観光ガイド)

 *イベントは新型コロナの状況等により中止になる場合もありますので、最新の情報をご確認ください


この地域でもここのところ新型コロナ感染者が増えてきています。お越しの際は感染予防対策をお願いします。また、都道府県をまたぐ移動においても、各自治体の情報を確認し、責任ある行動をお願いします。


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2021年04月16日檜枝岐村の春

尾瀬国立公園 檜枝岐 前川公彦

みなさん、こんにちは。

檜枝岐自然保護官事務所の前川です。

標高が千メートル近い寒冷地の檜枝岐ですが、近頃は路傍の雪もすっかり消え、陽の当たらない建物の陰や、村を取り囲む山のくぼみに僅かに残るのみとなりました。ストーブの火も入れたり入れなかったりで、気温の上昇が膚で感じられる季節です。今回は檜枝岐村の春をご紹介します。

先日、道を歩いていると「福寿草開花中」の黄色のノボリが何本か立っているのに気付きました。道路に面した山側斜面の小道を登っていくと、脇の畦にいくつかの小さな黄色の花やツボミの群落がありました。ほとんどの花はまだツボミで、開花にはもう少しかかりそうでした。その後、1週間ほどして再び福寿草苑(と名付けた場所)を通りかかると、かなりの数の花が開花していました。その開花後の姿がなんともユーモラスな、車輪や風車を思い起こさせるような形でした。私は植物のことを余り良く知らないのですが、ノボリには福寿草のある特徴が書かれていました。さて、この可憐な福寿草の意外な秘密とは何でしょうか?(答えはこのAR日記の最後に書きました。)

福寿草の花(左)とツボミ(右)

福寿草の花(左)とツボミ(右)

福寿草と違って地味な姿ですが、春の植物といえばツクシです。道路を歩いていると、やはり道路際の日当たりの良い場所にはニョキニョキ生えていました。ツクシのことも余り良く知らないので、調べてみると和名はスギナでした。地下茎で繁茂し、栄養茎をスギナ、胞子茎をツクシと呼ぶそうです。シダの仲間なので胞子で増え、日本では食用ばかりではなく、飲用や生薬としても利用されてきたようです。木賊(トクサ)という字を見たことがありますか?檜枝岐村のすぐ近くに温泉で有名な木賊という地区(南会津町)があり、先年の台風被害等により、残念ながら現在、川沿いの露天風呂である岩風呂は入浴できませんが、そのうち復旧したら温泉に行ってみたいと考えています。スギナはトクサ科の植物です。

陽当たりの良い地面から顔を出したツクシ

日当たりの良い地面から顔を出したツクシ

この時期、溶けた雪の下から出てくるのは灰褐色の地面や枯れた植物の葉や茎が多いのですが、その中で一輪、とても目を引く青い花を見つけました。この場所、時期には余り似つかわしくない色、形なので、おそらく以前に誰かが植えたか、どこからか種が飛んできた栽培植物ではないかと思います。ひときわ目立つ存在なので、思わず写真を撮ってしまいました。

ひときわ目を引く青い花

ひときわ目を引く青い花

檜枝岐では、4月1日から渓流釣りが解禁になりました。事務所のすぐ裏を流れる檜枝岐川でルアーを投げてみました。するとすぐに当たりがあり、結構大型のイワナがかかりました。檜枝岐川は渓流というには少し川幅が広く、開けている感じなので、餌釣りよりもルアーやフライの方が適しているように思います。川に沿って歩いて行くと、大きな淵がいくつもあり、きっと大物が潜んでいるに違いないと感じます。

檜枝岐川のイワナ

檜枝岐川のイワナ

先日、帰宅途中に大物に出会いました。カモシカです。村の人からはカモシカが自宅の庭に来て、なかなか逃げなかったような話は聞きますが、こんな近くで会ったのは初めてです。話に聞いているように、それほど人を怖がる様子もなく、ゆっくり道路を横断して不思議そうな目でしばらくこちらを見ていました。そのおかげでこちらもスマホを取り出して、撮影することができました。さすがはウシの仲間だと大いに納得しました。

こちらを見つめるカモシカ

こちらを見つめるカモシカ

(福寿草の秘密の答え:全体が有毒な草とのことです。)

次回は尾瀬の春をお伝えしたいと思います。

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