アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
【小笠原】平島蝶々調査
2021年12月17日皆様こんにちは。
小笠原 母島の伊藤です。
今回は母島列島の無人島「平島」でオガサワラセセリというチョウの調査を行いました。
△平島へは、妹島のときと同じく漁船からカヤックに乗り換えて上陸します。
「母島」を筆頭として母島列島の多くには「姉島」「妹島」「姪島」など家庭感のある名前が付けられているのですが、平らな「平島」や丸い「丸島」のように安直な名前もあります。
ネタが尽きてしまったのでしょうか。名付けた人に事情を聞いてみたいですね。
上陸後は目的の調査ポイントがすぐ近くにあるので、さっそく調査開始です。
△調査ポイントであるススキの丘です。
平島には各地にオガサワラススキという固有種のススキが群生している地点があり、ここに今回の調査対象が隠れています。
オガサワラセセリの幼虫はススキの葉を餌としてかじり、その葉を筒のように丸めて住居にする、という合理的かつ快適で素敵な生活を送っているため、その特徴的な葉の痕跡が彼らを見つける手掛かりになります。
△セセリ幼虫の食料兼住居はこんな形です。食べ物に包まれて眠る日々には憧れますね。
上の写真は残念ながら空き家でした。巣立った後でしょうか。
根気よく次を探しますが、次に見つけた葉の中では他の虫に襲われたのか、死んでしまっていました。快適なばかりではないようですね。
そして...
△オガサワラセセリの幼虫を発見しました。黒くて丸い頭が見えます。
頭の大きさからすると、この個体は一齢幼虫だそうです。かわいいですね。
葉も幼虫もとても小さいので、持っていたカメラではこれ以上綺麗には撮れませんでした。
島の各地を調査し終えて帰る頃には日が暮れていました。
小笠原なので寒くはありませんが、日照時間の具合で冬を感じますね。
△日暮れの漁港です。送迎していただいた船長に熱い感謝を述べて、下船しましょう。