2025年度 海ごみゼロウィーク

2025年度海ごみゼロウィーク

2025年07月03日

小笠原中川竜希

こんにちは、小笠原自然保護官事務所の中川です。

まず初めに、今年度も無事に「海ごみゼロウィーク」を開催、終えることができました。
ご参加、ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました！

この「海ごみゼロウィーク」は、

環境省と日本財団が共同、推進し、海ごみ削減に向けた全国一斉清掃活動で、海ごみ問題について行動し、海の未来を変えようという取り組みです。
毎年5月30日（ごみゼロの日）から6月8日（世界海洋デー）を強化期間として行われています。

小笠原では毎年「海ごみゼロウィーク」の取り組みを行っており、
今年も父島内4箇所（宮之浜・製氷海岸・大村海岸・扇浦海岸）のビーチに海ごみ回収BOXを設置するとともに、6月7日には洲崎海岸でビーチクリーン作業を行いました。

今回は、その取り組みの様子や結果についてお伝えしたいと思います。

まず最初に、海ごみ回収BOX設置後の活動のご紹介から。

海ごみゼロウィーク期間中はBOXから海ごみが溢れないように途中で回収を行うのですが、それでも最終日にはBOX容量を超えるような量になった海岸もありました。

下記の左と右の写真を見比べると、集まった量がよく分かるかと思います。

また、製氷海岸では海ごみ回収日に小笠原の学童保育「とびうおクラブ」のちびっ子たちが一緒に海ごみ拾いを手伝ってくれました。

大きな物から小さい物までどんどん海ごみを見つけて集めてくれたり、ちびっ子たちよりも大きな漁網を皆で引っ張って回収した頑張りもあり、全4箇所の海ごみ回収BOXの中で1番の回収量になりました。

暑い中、笑顔で海ごみ拾いをしてくれる姿にはもう感謝しかありません。

ちびっ子の皆、本当にありがとう！

回収した海ごみは主に漁業系・生活系・事業系・その他に分け、海岸ごとの重量を計測しました。

その結果、ごみゼロウィーク期間中で集まった海ごみの総量は、「240.15 kg」と大型フレコンバック（1トン分が入る袋）3袋分程度の量が回収出来ました。

海外からの海ごみも多く、近年見かけるプラスチック製のブイも10個ほど集まりました。

今年も夏本番、綺麗な海を満喫できそうです！

続いて洲崎海岸でのビーチクリーンについて。

海ごみゼロウィークの一環として、地元団体・海上保安庁等のご協力の元、父島の南西部に位置する洲崎海岸で作業を行いました。

一般参加者は16名、スタッフ含め全25名で、今年は大人の方が大多数でした。

最初に環境省から海ごみやマイクロプラスチック（5 mm以下のプラスチックごみ）が生態系へ及ぼす影響、大きなごみを拾うことの重要性、作業時の注意点等をお伝えし、その後約3時間の作業を行いました。

人数が多かったことで、予定よりも広い範囲を探索することが出来、かつ巨大なロープや埋没漁網などの重い海ごみを回収することも出来ました。

今回の作業で大型フレコンバック2袋分のプラスチックごみが回収出来ました。

また海ごみゼロウィーク前に海ごみ回収作業をしていただいた方がおられたため、今回と合わせて過去最高に綺麗になったのではないかと思います。

近年、マイクロプラスチックによる生態系への影響などから海ごみ問題が注目を集めており、世界的に海への関心が高まっています。

小笠原では、地元団体や島民の方が自主的に海ごみ回収などを行ってくださり、島の海ごみ問題について真剣に取り組んでいます。

海流や風の影響によって海ごみが溜まりやすい海域である小笠原の海岸が、他の地域と比べても綺麗な状態で維持されていることは本当に素晴らしいことであり、島民の意識の高さ故だと感じます。

今回の海ごみゼロウィークを通して、ひとりひとりがごみ問題への意識や海への関心をより抱いていただけたら非常に嬉しいです。

「ごみをなるべく出さない」「ごみは捨てずに持ち帰る」

というちょっとした行動が今後の未来や私たちにとって重要になっていくので、少しずつでも皆さまのごみゼロへのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

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