アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。小笠原最大の外来動物、ノヤギの駆除
2023年08月29日
小笠原
小笠原自然保護官事務所の河村です。先日、父島中部にある東平ノヤギ・ノネコ柵内でのノヤギ駆除に同行してきました。
柵内にいるノヤギ
東平ノヤギ・ノネコ柵は、東平サンクチュアリを含む父島東平自然再生区(約2km2)を囲う延長約5.3キロメートルの柵です。ノヤギ・ノネコからアカガシラカラスバトや希少植物を保護する目的で作られました。令和2年4月に、柵の破損箇所から侵入したとみられるノヤギが柵内で繁殖していることが確認され、環境省で柵内での駆除を実施しています。
駆除当日
当日は、小笠原島猟友協会のハンター、補助者に環境省職員が同行しました。ミーティングの後、各員指定の見通しの良い地点に移動し、双眼鏡やヤギの鳴き声を頼りに探します。アクティブレンジャーも配置につき、ヤギを探しました。
突然の激しい雨に襲われたり、炎天下でヤギを探したりと、体力的にも大変な作業です。ヤギが見つかると、無線を使って連携を取りながら、安全な射線を確保し発砲します。命中個体の元に補助者が確認に向かい、死体を土に埋めます。
今年度の初回は、集団のヤギに複数回遭遇したことで、3頭駆除ができたそうです。私が同行した2回目は、1回目で警戒心が高まったのか、1日中誰も出くわすこともなく、0頭という結果でした。
突然の激しい雨に襲われたり、炎天下でヤギを探したりと、体力的にも大変な作業です。ヤギが見つかると、無線を使って連携を取りながら、安全な射線を確保し発砲します。命中個体の元に補助者が確認に向かい、死体を土に埋めます。
今年度の初回は、集団のヤギに複数回遭遇したことで、3頭駆除ができたそうです。私が同行した2回目は、1回目で警戒心が高まったのか、1日中誰も出くわすこともなく、0頭という結果でした。
小笠原諸島で残るは父島のみ
かつて小笠原諸島では聟島列島、父島列島、母島列島に家畜から野生化したノヤギが広く分布していました。東京都などのノヤギ駆除事業の成果で 、聟島列島(媒島、嫁島、聟島)、父島列島の西島、兄島、弟島では既に全島駆除が完了しています。 ノヤギの駆除後には、植生の回復が見られているところもあるそうです。ノヤギは現在、小笠原諸島では父島のみに生息しています。 父島でも、東平の柵内でノヤギのいない環境を作ること、いずれは全島駆除の結果、小笠原の固有生態系の維持につなげていけたらと思います。
皆様へのお願い
銃器を使用したノヤギの駆除は観光客の多い8月は休止していましたが、9月からはおがさわら丸出港中に実施します。駆除の日には、観光ルート等の立ち入りが制限される可能性もあります。ルート入口の掲示等で周知を行っていきます。訪問・滞在される場合は、 皆様のご理解、ご協力をお願いします。