東海自然歩道の巡視 ～長者ヶ岳から天子ヶ岳～

東海自然歩道の巡視　～長者ヶ岳から天子ヶ岳～

2025年11月27日

沼津池崎太郎

沼津管理官事務所の池崎です。
今回は１１月中旬に実施した東海自然歩道の巡視の様子をご紹介します。天子山地の長者ヶ岳～天子ヶ岳付近の紅葉の歩道を歩きます。

１．はじめに

東海自然歩道は、東京の「明治の森高尾国定公園」から大阪の「明治の森箕面国定公園」まで１１都府県にまたがる長さ１，７４８ｋｍの長距離自然歩道です。

【長距離自然歩道を歩こう！｜東海自然歩道｜環境省】
　https://www.env.go.jp/nature/nationalparks/pick-up/long-trail/tokai/

東海自然歩道は山梨県と静岡県の区間で富士箱根伊豆国立公園内を通ります。私たちはこの国立公園区間の歩道等の状態を確認するため随時、巡視を行っています。今回は１１月中旬、天子山地の長者ヶ岳から天子ヶ岳周辺の巡視を実施しました。

２．巡視の様子

田貫湖の休暇村富士と道を挟んで向かい側にある無料駐車場（以後、“休暇村富士向かいの駐車場”。休暇村富士の敷地内の駐車場は宿泊者専用です。）に車を停めて歩き始めます。この時期は田貫湖周辺の紅葉がとてもきれいです。
休暇村富士の裏手にある登山口に向かう途中では、あいにくの高曇りですが富士山がきれいに見えています。少し進むと登山口です。ここから東海自然歩道本コースに合流する稜線まで、一気に高度を上げます。

この登山口から先に続く尾根は基本的には針葉樹主体の尾根ですが、しばし富士山の展望や紅葉とも出会うことができます。稜線に上がると東海自然歩道の本コースと合流します。

※静岡県内の東海自然歩道は本コースとバイパスコースに分岐していて、山間部を避けるコースとしてバイパスコースが設定されている区間があります。詳しくは静岡県の公式サイトなどで情報が提供されています。

標識や登山道そして動植物など歩道周辺の状況を確認しながら長者ヶ岳へ向けて稜線を進みます。

長者ヶ岳の山頂に着きました。写真はちょっと引いた位置から山頂の全景。前に出ると、富士山と田貫湖周辺の風景が広がります。展望を満喫したら天子ヶ岳方面に進みます。紅葉の稜線が続きます。

途中の上佐野分岐で東海自然歩道と分かれます。道標の手前から進んできて、東海自然歩道は右（上佐野方面）に分岐して麓へ向かいます。今回はここで稜線を直進、天子ヶ岳方面に進みます。ほどなく天子ヶ岳の山頂です。この時期でもほとんど展望はありませんが、もう少し先に進むと富士見台と呼ばれる広場状になっている場所の東側の森を少し進むと富士山の展望地があります。富士見台の展望地から望む富士山もきれいですね。

ここから先は東に延びる尾根を休暇村富士方面に下山します。林道に合流した後は、林道と車道を繋いで休暇村富士向かいの駐車場へ。最後の写真は駐車場の少し手前で今回の巡視最後の富士山の眺め。

３．付近の見所『富岳テラス』『富士山がある風景１００選』

今回利用した休暇村富士向かいの駐車場から道路を渡ると数分で田貫湖の湖畔に出ることができます。環境省ではこの湖畔に「富岳テラス」を整備しています。このテラスは、田貫湖に写る逆さ富士や、年に２回（４月・８月）ダイヤモンド富士を見ることができる人気の富士山展望スポットです。機会があれば是非お立ち寄り下さい。

また、今回訪れた長者ヶ岳と田貫湖は「富士山がある風景１００選」に選ばれています。「富士山がある風景１００選」では、この他にも気軽に立ち寄れる観光スポットから登山領域の展望地まで、富士箱根伊豆国立公園周辺の富士山の展望地が選定されています。お気に入りの景色を見つけて、是非一度訪れてみてください。

【富士箱根伊豆国立公園「富士山がある風景100選」｜環境省】
　https://www.env.go.jp/park/fujihakone/topics/100.html

４．最後に

巡視を行った区間の東海自然歩道の状況は良好で、今回の巡視はスムーズに進みました。青空はありませんでしたが要所で富士山を眺めながら、そして紅葉を愛でながらの巡視となりました。

■ 補足の情報 ■

・この巡視で歩いたコースは、一般的に登山の経験・装備が必要なコースです。
・熊の最新の出没情報は静岡県のホームページなどでご確認下さい。

【静岡県のツキノワグマ｜静岡県】
　https://www.pref.shizuoka.jp/kurashikankyo/shizenkankyo/wild/1017680.html

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]