那須岳の登山シーズンを終えて

2025年12月10日

那須石井憲吉

みなさんこんにちは。
那須管理官事務所アクティブ・レンジャーの石井です。

今回は11月８日に行われた那須岳閉山祭の様子をお伝えするとともに、着任して約半年の間に業務で何度も訪れた那須岳の登山シーズンを、アクティブ・レンジャーの視点から振り返ってみたいと思います。

まずは閉山祭の様子から。
当日はやや風が強く、この季節としては気温も低く感じられましたが、地元自治体、登山関係者など約20名が参列しました。峠の茶屋登山口に祀られている山の神の社にて、那須温泉神社の宮司による祈祷、参列者代表による玉串奉奠などが行われ、簡素ではありますが登山シーズンの区切りとなる大事な祭礼です。
アクティブ・レンジャーとしても、業務で那須岳に入ることはほとんどなくなりますので、しっかりと感謝の気持ちを伝えさせてもらいました。

那須岳では閉山祭後に立入禁止などの制限が行われるわけではありませんが、冬山シーズンに入ると、開山期間には想像も出来ないような強風（暴風）が吹き荒れることも珍しくありません。冬の間に入山を検討する際には事前情報をしっかり集め、無理のない計画を立てるように心掛けて下さい。
ロープウェイや登山口に至る道路も、冬の間は休止、通行止めになります。詳細はホームページなどで確認をお願いします。

さて、冒頭から那須岳、那須岳と繰り返していますが、実は那須岳という山頂名（ピーク）はなく、茶臼岳、朝日岳、三本槍岳など那須連山の総称として那須岳という呼称が使われています。
以前の日記でも紹介しましたが、この那須岳周辺の登山道巡視は、那須管理官事務所アクティブ・レンジャーの主要業務です。今年度も茶臼岳周回線をはじめ、朝日岳、南月山、黒尾谷岳、三本槍岳など、那須岳に含まれる山域での巡視を計画的に行い、登山道や設備の現状を確認しました。
またこれらの登山道や標識について損傷などの報告を受ければ、まずはアクティブ・レンジャーが現場確認を行い、簡易修繕による対応や、大きな損傷であれば別途工事を行うための情報を集めたりします。
今年度、アクティブ・レンジャーが那須岳で行った（参加した）業務を簡単にまとめてみます。

＜４月＞
4/18　スノーポール回収（峠の茶屋登山口）
4/24　登山者カウンター設置（峠の茶屋登山口）
＜５月＞
5/8　開山祭及び巡視（茶臼岳）
5/27・5/28　登山道補修（剣が峰）
＜６月＞
6/2　登山道補修（剣が峰）
6/4　巡視（南月山）
6/30　巡視（三斗小屋温泉など）
＜７月＞
7/7　大雨現場確認（茶臼岳）
7/9　登山道整備（茶臼岳）
7/22　巡視（茶臼岳）
7/28　巡視及び登山道整備（三本槍岳など）
＜８月＞
8/4　オオハンゴンソウ駆除作業（三斗小屋宿跡）
8/14　崩落現場確認（朝日岳）
8/26　巡視（三本槍岳、甲子山など）
＜９月＞
9/7　那須クリーンキャンペーン（南月山、黒尾谷岳）
9/9　登山道整備（茶臼岳）
＜10月＞
10/3　注意標識掲出（茶臼岳）
10/7　工事予定現場確認（姥が平）
＜11月＞
11/6　注意標識掲出（茶臼岳）
11/8　閉山祭（峠の茶屋登山口）

ロープウェイで山頂駅まで上がり、標識を掲出してすぐに戻るというような慌ただしい対応も含まれていますが、こうしてまとめてみると本当に何度も那須岳に登らせてもらったなあ、と実感します。
業務の合間に撮影した写真を少しだけご紹介しましょう。季節や天候によって大きく変化する那須岳の表情を、少しでも感じていただければと思います。

さらに、毎日のことで忘れてしまいそうになりますが、那須管理官事務所の所在地である那須高原ビジターセンターからは那須岳主峰の茶臼岳（や黒尾谷岳）がとてもきれいに見えます。季節の変化が目に見えて感じられ、通勤時などに思わず写真を撮ってしまうこともあります。

閉山祭は終わってしまいましたが、引き続き那須岳に見守られていることに感謝しながら、日々の業務に勤しみたいと思います。

那須岳は2000m級の亜高山としては比較的アクセスが容易ですが、気候の変化が非常に大きく、山岳事故の発生件数も決して少なくありません。十分に準備を整え、日々大きく変化する風景をゆっくり楽しんでいただけるとうれしいです。
那須岳の開山祭は例年５月８日に行われます。興味を持たれた方がおられましたら、ぜひ登山シーズンの那須岳に遊びに来て下さい。いつでもお待ちしています！

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