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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

秩父多摩甲斐国立公園の魅力

2025年04月28日
奥多摩 山村源
皆様はじめまして。
令和7年4月より奥多摩自然保護官事務所のアクティブ・レンジャー(以下「AR」)として着任しました山村と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

長年登山には親しんできましたが、恥ずかしながらつい最近まで「秩父多摩甲斐国立公園」の正式名称やその範囲については知りませんでした。
東の御岳山・高水三山から北は両神山、南は大菩薩嶺、西は瑞牆山や御岳昇仙峡までを含む広大な範囲にも驚きましたが、ARとして勤務することが決まってから登山仲間など10人程度に聞いてみたところ、同様に名称や範囲を正しく理解している人はほぼいないという状況でした。
長く東京の西部に住んでおり、奥多摩の山々がよく見える環境で過ごしてきましたが、身近な存在であるため意識できていなかったのかもしれません。
そんな秩父多摩甲斐国立公園の魅力を皆様にお伝えするため、こちらでは日々のAR業務の内容や取組等を発信していきたいと考えております。

さて、まだ色々と勉強中の身ではありますが、そんな秩父多摩甲斐国立公園の魅力とは何でしょうか。
かつてウォルター・ウェストンが日本アルプスの魅力を広く世に伝えたように、秩父・奥多摩・甲斐といった山々の魅力を伝えた一人に田部重治という人がいます。
彼はその著書のなかで「秩父で私を最も惹き附けたものは、その深林と渓谷との美である。」と述べています。

 氷川渓谷の登計橋より昭和橋方面
(氷川渓谷の登計橋より昭和橋方面)


長年育まれてきた深い森と、豊富な水が織り成す渓谷。また、そんな環境のなかにも長く暮らしている人々の息づかいが感じられるようなところは確かに秩父多摩甲斐国立公園の魅力と言えるのかもしれません。
氷川渓谷など奥多摩自然保護官事務所の周辺を歩いてみても、どこかほっとするような風景が広がっていると感じます。

まだまだ秩父多摩甲斐国立公園内の特徴を把握するには時間がかかると思いますが、一つ一つ経験を積み重ねていければと思います。


参考文献:田部重治『新編山と渓谷』岩波書店(1993年)