
アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
奥多摩の山々を守る人々
2025年05月01日
奥多摩
4月1日の出勤初日は奥多摩に雪が降っていたのが印象的でしたが、だんだんと暖かくなってきました。
通勤時の電車の中でも、登山者の方が日を追うごとに増えていくのを感じます。
今回は、4月に参加させていただいた安全登山に関する活動や巡視の様子をお伝えします。
通勤時の電車の中でも、登山者の方が日を追うごとに増えていくのを感じます。
今回は、4月に参加させていただいた安全登山に関する活動や巡視の様子をお伝えします。
●安全登山キャンペーン
令和7年4月19日(土)、川苔山の細倉橋で「2025春の安全登山キャンペーン」が実施されました。
川苔山は、登山口である川乗橋まで奥多摩駅からバスに乗り十数分でたどり着ける交通の便の良さ、また百尋ノ滝などの見応えのあるスポットの存在もあり、奥多摩の山々の中でも屈指の登山者数を誇ります。
その一方で、遭難事故の数もかなり多い山です。
川苔山は、登山口である川乗橋まで奥多摩駅からバスに乗り十数分でたどり着ける交通の便の良さ、また百尋ノ滝などの見応えのあるスポットの存在もあり、奥多摩の山々の中でも屈指の登山者数を誇ります。
その一方で、遭難事故の数もかなり多い山です。
この日は東京都山岳連盟救助隊、青梅警察署山岳救助隊、奥多摩消防署山岳救助隊、日本山岳会東京多摩支部、東京都レンジャー、奥多摩ビジターセンターの皆様と合同で、奥多摩自然保護官事務所でも安全登山に関する声かけ、国立公園のパンフレット類の配布などを行いました。
山に登る前にかさばるパンフレットを受け取ってくれるだろうか? と懸念はありましたが、細倉橋は林道を歩いてきてから休憩する場所にちょうどいいこともあり、多くの方に周知することができました。
また、山岳救助隊の方を中心に、登山計画書の作成呼びかけ・受付や、ルート状況などをお伝えしながら、明らかに登山装備ではない方や水をあまり持っていない方には百尋ノ滝までで引き返すことをお薦めするなどの声かけを行いました。
山に登る前にかさばるパンフレットを受け取ってくれるだろうか? と懸念はありましたが、細倉橋は林道を歩いてきてから休憩する場所にちょうどいいこともあり、多くの方に周知することができました。
また、山岳救助隊の方を中心に、登山計画書の作成呼びかけ・受付や、ルート状況などをお伝えしながら、明らかに登山装備ではない方や水をあまり持っていない方には百尋ノ滝までで引き返すことをお薦めするなどの声かけを行いました。
山岳会の方からは「昔は奥多摩の駅前でやっていたが、みんなバス停に急いでほとんど足を止めてくれなかった」とお話を聞くことができました。工夫を重ねて地道な活動を続けてこられたことが窺えます。
この活動には前述のとおり多くの関係者の方が参加していましたが、その全員が「安全に山を楽しんでほしい」という共通の思いをお持ちでした。
新緑の時期を迎えて登山の計画を立てておられる方も多いと思いますが、安全第一で国立公園を楽しんでいただくことを願っています。
この活動には前述のとおり多くの関係者の方が参加していましたが、その全員が「安全に山を楽しんでほしい」という共通の思いをお持ちでした。
新緑の時期を迎えて登山の計画を立てておられる方も多いと思いますが、安全第一で国立公園を楽しんでいただくことを願っています。
●奥多摩の巡視
令和7年4月18日(金)は東京都の自然保護指導員(東京都レンジャー)さんと合同で、御前山を巡視しました。
ちょうどカタクリの咲き始めにあたり、登山道周辺でも特徴的な姿を楽しむことができました。
ちょうどカタクリの咲き始めにあたり、登山道周辺でも特徴的な姿を楽しむことができました。
巡視は栃寄~御前山避難小屋~御前山~惣岳山~サス沢山~小河内ダムという行程で行いました。
この辺りでは、ニホンジカの食害によりほとんどの下草が姿を消してしまっています。この日もニホンジカが食べないハシリドコロ、バイケイソウといった植物が目立ちました。
一方、防鹿柵の内側ではカタクリの開花が多数見られ、対策の必要性を再認識させられます。
この辺りでは、ニホンジカの食害によりほとんどの下草が姿を消してしまっています。この日もニホンジカが食べないハシリドコロ、バイケイソウといった植物が目立ちました。
一方、防鹿柵の内側ではカタクリの開花が多数見られ、対策の必要性を再認識させられます。
歩道や避難小屋の状況などを確認しながら進んでいきます。
道は明瞭で良く管理されていると感じました。
道は明瞭で良く管理されていると感じました。
御前山の山頂で休憩し、惣岳山方面へ向かいます。
ここでトラブル発生! 倒木が登山道を塞いでいます。
ここでトラブル発生! 倒木が登山道を塞いでいます。
連携して登山者の安全確認をしつつ、切断して除去しました。
惣岳山から先では、東京都レンジャーから「山村ARに先頭で歩いてほしい」との話がありました。
この辺りでは過去に道迷いによる遭難があったため、東京都レンジャーは度々巡視し対策を行っており登山道の様子に慣れすぎてしまっているため、あまりこの道を歩いたことがない人の視点で状況を見てほしいとのことでした。
この辺りでは過去に道迷いによる遭難があったため、東京都レンジャーは度々巡視し対策を行っており登山道の様子に慣れすぎてしまっているため、あまりこの道を歩いたことがない人の視点で状況を見てほしいとのことでした。
雨天で視界が効かない場合などは迷い込みそうな尾根がありましたが、そうした場所には既にロープや看板等で案内表示がされていました。
既に行った対策に満足することなく、常に新しい視点で安全性の向上を図る東京都レンジャーの方々の仕事ぶりには感服させられます。
こうした活動や巡視を通じ、多くの人々が奥多摩の山を守ってくださっていると感じます。
奥多摩自然保護官事務所でも、皆様と一緒に自然の保護や利用の推進に取り組んでいきます。
既に行った対策に満足することなく、常に新しい視点で安全性の向上を図る東京都レンジャーの方々の仕事ぶりには感服させられます。
こうした活動や巡視を通じ、多くの人々が奥多摩の山を守ってくださっていると感じます。
奥多摩自然保護官事務所でも、皆様と一緒に自然の保護や利用の推進に取り組んでいきます。

奥多摩自然保護官事務所入口上の鳥の巣にツバメが入居しました。落とし物がある可能性がありますので、お越しの際は頭上に御注意ください。