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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

登山者安全祈願とクマに関する情報について

2026年04月30日
奥多摩 山村源
4月になり、本国立公園の各地から花の便りが届くようになりました。
新しい生活や環境を迎えた方も多い時期かと思います。本事務所でも自然保護官の異動があり、新しい体制で今年度の業務がスタートしました。どうぞよろしくお願いいたします。

今回は、新年度を迎えて行われた山開き式や登山者安全祈願に参加したときの様子についてお伝えします。
 

●奥多摩山開き式

令和8年4月5日(日)、JR奥多摩駅前広場にある大木戸稲荷神社で開催された「奥多摩山開き式」に参加しました。
奥多摩の山々には、冬季登山の備えをすれば一年を通して登山を楽しめる場所もありますが、毎年この時期に春の始まりを告げる行事として山開き式が行われています。
 
(大木戸稲荷神社)
(奥多摩山開き式)
この日は、普段は静かに奥多摩を見守っている大木戸稲荷神社に、地域の方々や山に関わる多くの関係者が集まりました。玉串奉奠が行われ、登山者の安全を願って祈りを捧げました。
 

●介山祭

令和8年4月6日(月)、山梨県甲州市で開催された「介山祭」に参加しました。
介山祭は、小説『大菩薩峠』の作者である中里介山の法要と、登山者の安全祈願をあわせて行われる行事です。春のやわらかな日差しに包まれた穏やかな天候のもと、厳かに執り行われました。
 
(介山祭)
法要と安全祈願の後には、住職様から地域の歴史についてお話を伺いました。江戸時代には秩父の人々が富士山を一目見ようと、奥多摩の仙元峠を越え、日原から小菅を経て大菩薩連嶺を訪れていたそうです。
秩父から多摩、そして甲斐へと至る人々の歴史は、本国立公園の名称にも通じるとても興味深いお話でした。
 

●クマに関する情報について

こうした山開き式では参加者全員で登山者の安全を願いますが、この他にも安全登山の啓発を目的とした様々な取組が行われています。
一方で、近年はクマの出没に対する不安の声も多く聞かれるようになっています。特に昨年度はクマに関する報道が相次ぎ、本国立公園内の各施設にも多くのお問い合わせが寄せられました。
それでは昨年度(令和7年度)の状況はどのようなものだったのでしょうか。このたび、環境省からクマに関する出没情報や人身被害件数の速報値が公表されました。

クマに関する各種情報・取組 || 野生鳥獣の保護及び管理[環境省]

こちらの出没情報や人身被害件数は都道府県別に整理されており、本国立公園が位置する埼玉県、東京都、山梨県、長野県の状況をご紹介します。
出没情報のうち、対前年の件数は埼玉県・東京都・山梨県で増加し、長野県では減少しました。他の地域では大幅な増加が見られたところもありますが、本国立公園内において顕著な変化は確認されていません。
また、人身被害については東京都、山梨県、長野県で発生が報告されていますが、本事務所が把握している範囲では、令和7年度中に本国立公園内で登山中にクマによる人身被害が発生した事例は確認されていません。
 
昨年度は渓流釣りに訪れた方の被害が1件発生しており、絶対的な安全を保証することはできませんが、被害に遭うリスクを低減するため、一般的な登山時の対策を講じていただくようお願いします。
人の存在・接近をクマに知らせて出会いがしらの遭遇を避けるため、鈴やラジオなど音が鳴るものを携行することや、手を叩いたり複数人で声を出しながら行動することなどが有効とされています。
また、地元自治体のホームページ等でクマ出没状況や注意点を確認することも大切です。
 
春はクマの活動が本格化する時期です。安全対策を十分に行った上で、新緑の美しい時期の自然を楽しんでいただければと思います。
 

※5月18日追記

報道等でも出ているとおり、令和8年5月17日(日)に登山者がクマに襲われる人的被害が発生しました。
 
ツキノワグマへの対策について(5月17日登山者人的被害発生)/奥多摩町
 
 
あらためて下記ホームページ等でクマやその対策について事前にご確認いただくようお願いします。
 
国立公園に出かける前に知っておきたいクマのこと | 国立公園に、行ってみよう! | 環境省