ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年1月

11件の記事があります。

2019年01月31日佐渡の珍鳥5選

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

新潟県佐渡市はこの冬、雪が非常に少なく、例年よりも温かい日が続いています。


<佐和田海岸の夕日>


佐渡は日本海に浮かぶ島。海を渡ってやって来る渡り鳥たちの貴重な休息地・越冬地となっています。

今回は佐渡で確認された珍鳥5選をご紹介したいと思います。

1.【クロハゲワシ】 2017年12月 撮影

  学名:Aegypius monachus

  英名:Cinereous Vulture 

  全長:100~110㎝

2017年12月、佐渡では20年ぶりに飛来が確認されたクロハゲワシ(若鳥)。見たことのない大きさで、  飛んでいる姿は、まるで空飛ぶ畳!圧巻でした。クロハゲワシは、ヨーロッパ南部から中央アジア、チベット、中国東北部に広く分布していますが、日本への飛来は希な迷鳥です。お隣、韓国では、越冬しにやって来たクロハゲワシ保護のために餌付けが行われています。

2.【ハイイロガン】 2017年12月 撮影

  学名:Anser anser

  英名:Greylag Goose

  全長:75~90㎝

片脚を上げて加茂湖湖畔で休息するハイイロガン。2017年12月、佐渡では34年ぶりに確認されました。ハイイロガンは、オーストリアの動物行動学者、コンラート・ローレンツ博士が「刷り込み」を発見した種としても有名です。ヨーロッパ、中国北部などで繁殖し、アフリカ北部、ヨーロッパ西部、インド北部などで越冬します。ピンク色のくちばしがマガンとは異なる識別ポイントです。

3.【オオワシ】 2018年1月 撮影

  学名:Haliaeetus pelagicus

  英名:Steller's Sea Eagle

  全長:オス88㎝ メス102㎝

トビでもない、ミサゴでもない、大きな鳥が漁港にいる。と地元の方の間で話題になっていたそうです。日本では国の天然記念物に指定されており、環境省レッドリストでは、絶滅危惧II類に分類されています。ロシア東部で繁殖し、朝鮮半島・カムチャツカ半島、北海道・本州北部で越冬します。学名の「pelagicus」は「海の」を意味します。このオオワシの若鳥は、佐渡各地の漁港や海岸でたびたび確認されました。

4.【亜種 ハチジョウツグミ】 2018年1月 撮影

  学名:Turdus naumanni naumanni

  英名:Naumann's Thrush

  全長:24㎝


冬鳥として佐渡にやってくるツグミの群れの中に、1羽だけ赤茶色をしたツグミが。亜種、ハチジョウツグミでした。シベリア北部で繁殖し、中国北部で越冬します。ツグミは胸を張っているような姿勢が特徴的。小さいながらもピンッ!と背筋を伸ばして止まっている姿がなんとも愛らしい鳥です。もしツグミの群れを見かけたら、ハチジョウツグミが混ざっていないか探してみるのも面白いかもしれません。

5.【アカアシチョウゲンボウ】 2018年5月 撮影

  学名:Falco amurensis

  英名:Amur Falcon

  全長:27~30㎝

水田上空をホバリングする、ハトより少し小さい鳥を見つけました。サーっと降下し、水田横の杭にとまったところを撮影。アカアシチョウゲンボウでした。アカアシチョウゲンボウはウスリー、中国東北部などの限られた場所で繁殖し、アフリカ南部まで渡って越冬します。佐渡では5月、6月、10月の不定期に渡来記録があり、最近は観察例が増えているそうです。

さて、2019年はどんな鳥が佐渡にやってくるのでしょうか。今年も様々な鳥たちに出会えることを期待して、日々のトキのモニタリング業務に励んでいこうと思います。

~おまけ~

ハイイロガンと近藤の足跡

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2019年01月30日冬鳥観察会inイタリ池(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

今年に入って全く雨が降らないですね。まだ雪景色が見られていないのが少し心配です。

さて、前記「芦ノ湖水鳥調査」でお伝えしたとおり、箱根には越冬を目的に様々な水鳥がやってきます。

今回は箱根自然解説活動連絡協議会主催の自然講座「冬鳥観察会inイタリ池」にスタッフとして参加してきました。

開催場所は箱根カントリー倶楽部内にある「イタリ池」と呼ばれる調整池の周辺。

このゴルフ場は、動植物との共生に配慮された自然環境が保たれているため、多くの動植物が生息し、その緩急を好むカモ類をはじめ多くの冬鳥が多く飛来します。

今回は箱根カントリー倶楽部のご協力の下、普段は会員以外に解放されていないその場所で観察することが出来ました。

【観察中の様子(イタリ池前)】

この池は芦ノ湖に比べて水深が浅く、日が良く当たるため藻類が繁殖しやすい環境になっているため、その環境を好んだ水鳥を多く観察できました。

 

【ハシビロガモ(左のカラフルのカモ)とオカヨシガモ(右の全身灰色のカモ)】

浮遊する藻類を好む水鳥で、ため池や湖などの止水域を好む水鳥です。集団で行動し、浮遊する藻類をかき集めて食べる行動がよく見られました。

【オオバン】

草食性の水鳥で水草や写真の様に陸地の草本類も食べます。クイナ科に属するため、カモ類特有の水かきが足にないのが特長です。西日本に多い傾向でしたが、近年だと水辺があればどこでも観察できる種類です。

【ツグミ】

開けた草地から林縁部など日当たりの良い環境を好む冬鳥です。「ケケケ」と鳴いて飛ぶことが多いので、その声が聞こえたら探してみましょう。

【ノスリ】

小動物(ネズミやトカゲなど)を好む大型の猛禽類です。参加者の1人が赤丸箇所に止まっているのを、この距離を肉眼で発見したそうです・・・。すごすぎる・・・。

〈確認できた種類*五十音順〉※下線が冬鳥です。

アカハラアトリ、アオサギ、ウソオオバンオカヨシガモハシビロガモ、カイツブリ、カワウ、カワセミ、カワラヒワ、キジ(鳴き声のみ)、キンクロハジロシメシロハラツグミ、トビ、ハシボソガラス、ヒドリガモ、ホオジロ、ホシハジロマガモ、モズ など(参考:タヌキ)

上記の種類だけでも、多くの野鳥が生息、越冬している事が分かりました。多くの野鳥を観察できたので、参加者も満足された様子でした。引き続き、来年度も観察できるようにこの環境を維持していただきたいですね。

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2019年01月29日南アルプス林道のビュースポット

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

南アルプスの山々へ行く道中にはたくさんの林道があります。例えば、早川町から奈良田に続く南アルプス公園線、大鹿村から塩見岳登山口に続く鳥倉林道、畑薙第一ダムから赤石岳や荒川岳に続く東俣林道など。同じ山でも違う林道からアクセスできるという山もあります。数ある林道の中で今回は芦安から広河原、北沢峠、そして長谷に続く南アルプス林道にスポットライトを当てて、いくつかのビュースポットを紹介したいと思います。

■御野立所(おのだちしょ)から見る北岳、間ノ岳

北岳と間ノ岳が一望できる

夜叉神ゲートから2つ目のトンネルの先にあります。御野立所は、1957(昭和32)年7月、昭和天皇・皇后が野呂川林道を視察された際にご休憩された場所です。写真には写っていませんが、当初作られた記念碑が立っています。この場所からは白峰三山の一部である、標高日本第2位の北岳(右側)と第3位の間ノ岳(左側)を見ることができます。また、鞍部には小さく北岳山荘も見えます。


■不老の滝付近から見える仙丈ヶ岳

南アルプスの女王、仙丈ヶ岳を望む

広河原から北沢峠行きバスに乗り換え、しばらくすると『不老の滝』と書かれた看板が見えてきます。北岳を水源とし、落差約400mある滝です。1年中、水が涸れることなく流れていることから不老の滝と呼ばれています。この滝の近くからは仙丈ヶ岳を見ることができます。左奥に見えるのは大仙丈ヶ岳と仙塩尾根です。大きくなだらかな山容が美しいですね。

■北沢峠付近から見る甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳と摩利支天

野呂川出合というバス停を過ぎて、しばらくすると見えてくるのが甲斐駒ヶ岳です。甲斐駒ヶ岳は山全体が花崗岩に覆われているため、夏でも白く輝いています。右に見えるのは摩利支天です。摩利支天の下に見える木が無い場所は仙水峠にある岩塊流(がんかいりゅう)と呼ばれる岩です。北沢峠から仙水峠までは往復3時間ほどで行くことができますよ♪

ほかにも、白鳳渓谷から見る秋の紅葉や夜叉神ゲートから広河原間にある夫婦滝や小滝などの滝も見どころです。夜叉神ゲートから広河原までは山梨交通のバス停がところどころにあるので、気になる場所で下車するのもいいですね!現在、夜叉神ゲートから先は車両や自転車等の乗り入れが禁止となっています。来シーズンのバス運行情報等は、来年度以降、各機関から発表される情報をご確認ください。

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2019年01月22日夜叉神峠の1年

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

夜叉神峠は標高1,770m、夜叉神峠登山口から1時間ほどにあり、南アルプス国立公園の中でも1年を通して登山口へのアクセスが楽にできる場所です。鳳凰三山の縦走路になっていることもあり、冬季でも多くの方が登られます。今回はこの夜叉神峠の春夏秋冬をみなさんに紹介しようと思います。

【冬:1月から3月】

夜叉神峠から残雪が残る白峰三山を望む

△夜叉神峠から残雪が残る白峰三山を望む

車道や登山口には雪はありませんが、白峰三山にはたくさんの雪が残っています。場合によっては、3月あたりでも夜叉神峠に雪が残っているときがあります。標高が低いところでは春が訪れている場所もある時期ですが、標高が高い山ではまだまだ冬山のように感じられます。雪で白くなった白峰三山はとても雄大でいつ見ても圧倒されます。この時期は登山道が凍っていることもありますので、雪道歩きが不慣れな方はアイゼンなどを携帯してくださいね。

【春 4月から6月】

新緑が鮮やかな夜叉神峠

△新緑が鮮やかな夜叉神峠

春に比べ、木々が葉を付け始め、新緑が鮮やかになります。写真は晴れていませんが、スッキリと晴れているときは、新緑の鮮やかさが増します。降雪量が多い年では4月、5月でも雪を被っている白峰三山を見ることができます。登山道沿いでは、ミツバツツジやシロバナノヘビイチゴやキバナノコマノツメなどの高山植物が咲き始めます。

【夏 7月から9月】

夏の陽気が感じられる夜叉神峠

△夏の陽気が感じられる夜叉神峠

山へ若干、ガスがかかってしまっていますが、後ろにうっすら見えるのが北岳と間ノ岳です。春よりも全体的に緑が多く、夜叉神峠でも様々な種類の高山植物を多く見ることができます。また、夏期シーズンは夜叉神峠小屋の営業も始まり、小屋に泊まることもできます。(営業については要確認)小屋付近には幕営地もあるので、テント装備を背負って夏の星空を眺めるのもいいですね!

【秋 10月から12月】

葉が色付き秋らしさを感じられる夜叉神峠

△葉が色付き秋らしさを感じられる夜叉神峠

夜叉神峠の紅葉のピークは時期によって多少の変動はありますが、例年は10月初旬くらいです。この写真は10月末に撮影したので、ほぼ紅葉は終わり気味でしたが、夜叉神峠までの登山道は綺麗に色付いていました。写真の白峰三山は秋の山という感じがしますが、この時期くらいから高山では雪が降り始めるので、運が良いと白くなった白峰三山と紅葉の夜叉神峠を見ることができるかもしれません。

同じ山でも登る時期によって見ることができる景色が変わります。1年の中であなたのお気に入りの景色を探してみてはいかがでしょうか?

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2019年01月21日【小笠原】はじめまして

小笠原国立公園 小笠原 倉上花子

初めまして。

この度、1月に小笠原自然保護官事務所に着任しました新米アクティブレンジャーの倉上花子と申します。アクティブレンジャーになる前は、ラクロスというスポーツのコーチをしながらオーガニック野菜の栽培を行っていました。

今回の着任で小笠原には初上陸だったのですが、フィールドでは日々新しい発見があり、これからまたどんな出会いがあるだろうとワクワクしています。

小笠原の事はまだまだ知らないことだらけですが、これから体感する小笠原の魅力や小笠原の抱える問題など、少しでも皆さんにご紹介できたらと思います。よろしくお願いいたします。

先日、119日に実施された小笠原村民対象の兄島視察会で小笠原父島の北に位置する無人島、兄島へ行ってきました。

剣山頂上からは兄島の乾性低木林が一望できました。

小笠原の魅力の一つである乾性低木林。

父島と兄島の乾燥した山頂傾斜面を中心に広がる高さ58mのこの低木林には、小笠原でしか見ることのできない固有種が多く残っています。国内希少野生動植物種にも指定されているマイマイやアカガシラカラスバトをはじめとした数多くの生物の住処となっており、世界遺産の価値のひとつとして認められました。

乾性低木林は父島の旭山などからでも見ることができますので、皆さんもこの涼しい季節にぜひ小笠原の森へ一歩足を踏み入れに来てみて下さい。

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2019年01月16日芦ノ湖水鳥調査(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

ご挨拶が遅れましたが、明けましておめでとうございます。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、1月12日(土)に民間の地域団体が毎年行っている芦ノ湖で越冬している水鳥(主にガン・カモ類)の調査に同行してきました。

【調査の様子】

カルデラ湖である芦ノ湖の地形は複雑で、歩いて行くことが難しい湾処がいくつもあるため、ボートを使って全面を約2時間かけて回ります。一時大雨に見舞われましたが、幸いにも風が無く、なんとか実行することが出来ました。

〈確認できた水鳥の紹介(一部抜粋)〉

【ハジロカイツブリ】            【カンムリカイツブリ】

魚食性の水鳥で、潜水が得意な種類です。どちらとも中国やイギリスにかけての中部以南から越冬しに飛来します。

 

【キンクロハジロ】             【ホシハジロ】

雑食性の水鳥で、こちらも潜水が得意な種類です。どちらもヨーロッパやシベリア北部から越冬しに飛来します。

【ヤマセミ】

冬鳥ではないですが、魚食性のため調査対象だそうです。大型のカワセミの仲間です。

〈確認できた種類*五十音順〉

アオサギ、オオバン、オカヨシガモ、アヒル、カルガモ、カワウ、カワセミ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、キンクロハジロ、ヒドリガモ(前日の観察会で確認)、ホオジロガモ、ホシハジロ、ヤマセミ など

調査の方によると年々数が減少しているそうです。減少の要因がまだ定かではないため、なんとも言えないようですが、調査結果を基に保護・保全活動に役立てられたらと願っています。

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2019年01月15日南アルプスとユネスコエコパーク

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんは「ユネスコエコパーク」をご存じでしょうか。「ユネスコ」と言えば、ナマハゲなどの「来訪神」がユネスコ無形文化遺産に登録され話題になりましたね。ユネスコエコパークとは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的として、1976年にユネスコが開始したものです。地域の豊かな生態系や生物多様性を保全し、自然に学ぶとともに文化的にも経済、社会的にも持続可能な発展を目指す取り組みです。日本国内には現在、志賀高原や白山など9カ所が登録されています。「南アルプスユネスコエコパーク」は、2014年9月に登録決定されました。

南アルプスユネスコエコパークは山梨県、静岡県、長野県の3県にまたがっており、韮崎市、南アルプス市、北杜市、早川町、飯田市、伊那市、大鹿村、富士見町、静岡市、川根本町の10市町村によって構成されています。

ユネスコエコパークは役割の異なった3つの地域に構成されています。

【移行地域】

棚田(飯田市)

△棚田(飯田市)

 

人が暮らしを営んでいる地域を指し、さまざまな社会活動や持続可能な地域社会の発展を目指す地域です。面積としては最も大きい部分です。写真の他に、大鹿村の大鹿農村歌舞伎や川根本町のカヤックツーリングが挙げられます。

【緩衝地域】

尾白川渓谷(北杜市)  椹池(甘利山・韮崎市)

△尾白川渓谷(北杜市)             △椹池(甘利山・韮崎市)

環境教育、野外活動、調査研究活動や観光、レジャーに利用できる地域です。緩衝地域の中には南アルプス国立公園に指定されているエリアがあります。写真の他に、韮崎市甘利山に咲くレンゲツツジや南アルプス市が行っているユネスコスクールが挙げられます。

【核心地域】

北岳にしか咲かないキタダケソウ  仙丈ヶ岳

△北岳にしか咲かないキタダケソウ        △仙丈ヶ岳

このエリアは主に南アルプス国立公園や大井川源流部原生自然環境保全地域等になります。写真の他に、氷河期の遺存種であるライチョウ、山稜部は氷河地形(カール地形)が多く残されています。

自然環境の他に文化面では、南アルプスの急峻な地形が交流の障壁となり、富士川水系、大井川水系などの流域ごとに伝統的な食文化、民俗芸能など個性的な文化圏が発展し、現在にも受け継がれています。

ユネスコエコパークに登録されてから今年で5周年を迎えます。南アルプスの山岳環境を後世へ残していくためにも、保全していく体制作りや豊かな自然環境を守り伝えていくことが大切ですね。

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2019年01月10日トキの求愛行動

佐渡 近藤陽子

皆様、明けましておめでとうございます。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

2019年最初の日記は、繁殖期(2~7月)に向けてトキ達が取る求愛行動を3つ、ご紹介したいと思います。

①枝渡し(えだわたし)

 トキは、気に入った相手がいると、小枝や草、枯れ葉や木の皮などを渡そうとします。相性が良ければ、一緒にくわえて遊ぶような行動をしますが、相性が悪いと、渡そうとしても逃げられてしまいます。

 よく似た行動で、枝をくわえて頭と翼を下げ、のっしのっしと大股で歩きながら別のトキを追いかけることがあります。これは、おそらく威嚇行動で、枝は威嚇の道具として使っているようです。

②相互羽づくろい(そうごはづくろい)

 お互い、相手の羽をくちばしで整える行為です。トキのくちばしは鋭く、ヌルヌルするドジョウをさっと捕まえることができます。人が指などを噛まれると、皮膚が切れることもあります。

 このように攻撃や威嚇にも使うことができるくちばしで相手に羽づくろいさせるのは、仲良しの証拠。羽づくろいされている側は、冠羽(かんう)と呼ばれる後頭部にある長い羽を逆立てていることが多いです。「気持ちいい」のサインでしょうか?

③擬交尾(ぎこうび)

 おしりとおしりがくっつき合わない、交尾に似た行為です。オスがメスの上に乗ります。擬交尾が見られた2羽は、ペアとなり繁殖を始めることが多いです。

 擬交尾(または交尾)の際、トキは独特な鳴き声を出します。「コオオ、コオオ、コオオ、ター!」とリズムがあり、「コオオ」と鳴いている間は、オスがメスの上に乗ってお互い頭を震わせながらくちばしをカチカチ当て合います。最後の「ター!」は、オスがメスの上から降り、擬交尾が終わった時の鳴き声です。

 たとえトキの姿が見えなくても、林の中からこの鳴き声がすれば、擬交尾していることが分かります。また、「コオオ」が長く続く場合は、オスがメスの上に乗っている時間が長いということ。擬交尾ではなく交尾の可能性が高くなり、産卵時期を推定するのに役立ちます。

トキにはトキ特有の様々な表現方法があり、それが読み取れるようになると、観察もより楽しくなります。

これからもトキとトキが暮らす佐渡の魅力をお伝えしていきます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


~おまけ~

珍鳥 オオカラモズが、佐渡では25年ぶりに確認されました。(2018年12月撮影)

普段見かけるモズよりも一回り以上大きくて白っぽい体が大変美しく、印象的でした。

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2019年01月09日甘い香り漂う 伊豆下田の水仙祭り

富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光

【爪木崎海岸】

伊豆下田の爪木崎は今年も一面水仙の花が咲いています。

今年は例年に比べて暖かいせいか、咲き出すのが早かったようで今が見頃です。  

【水仙】

海から風が吹くと水仙が波のように一斉に揺れ、辺りは甘い花の香りに包まれます。 

【アロエと水仙】

今年のアロエも元気いっぱいに赤い花を咲かせています。 

【爪木崎灯台】

水仙の丘を上がると青空をバックにそびえ立つ爪木崎灯台も見所の一つです。

真っ白でスラッとした佇まいは存在感があります。ここからの眺めは海が一望でき、伊豆半島の地形も見ることができます。

【水仙と爪木崎海岸】

丘の上から見下ろす水仙と爪木崎海岸も素晴らしい景色です。底の地形がわかるほどに澄んだ海を見て、観光で来た方々は「キレイな海だ」と口々に話していました。

下田爪木崎水仙祭りは1月31日までの開催です。

例年に比べ花の時期が半月ほど早いので見頃を逃さぬよう早めにお越しください。

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2019年01月08日地蔵ヶ岳で初日の出

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、あけましておめでとうございます。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。今年もよろしくお願いいたします。

年末年始に1泊2日の行程で鳳凰三山へ行ってきました。鳳凰三山は地蔵ヶ岳(2,764m)、観音岳(2,841m)、薬師岳(2,780m)の総称です。1日目は韮崎市にある御座石温泉登山口から鳳凰小屋まで。2日目は稜線へ上がり、南アルプス市にある夜叉神峠登山口まで下りてきました。樹林帯では気温が低く、稜線では風が強かったものの、2日間とも快晴でした。今回は稜線で見ることができた絶景をみなさんにお伝えしたいと思います。

日の出前に小屋を出発。地蔵ヶ岳で初日の出を見るためです。辺りは真っ暗でしたが、ヘッドライトで照らしながら歩きます。樹林帯を抜けると、ザレ場になります。夏は砂浜のようですが、冬は雪が積もるため、多少歩きやすくなります。登り切り、オベリスクの直下で日の出を待ちます。

2019年初日の出

2019年初日の出

上がってきました!初日の出!日の出が上がるまで10分ほど待ちましたが、その10分が非常に長く感じられました...。ですが、素晴らしい景色を見ることができたので、頑張って登って、待って良かったと心から思いました。今年も安全に楽しく過ごせますようにと手を合わせ、地蔵ヶ岳を後にしました。

地蔵ヶ岳から10分ほど登ると赤抜沢ノ頭に着きます。赤抜沢ノ頭からは仙丈ヶ岳や八ヶ岳、白峰三山などの山々を一望することができます。

雪が付いて白く染まった北岳

△雪が付いて白く染まった北岳

北岳山頂は朝日に照らされて赤く染まっていました。左俣ルート(一直線に真っ白なルート)は真っ白ですね。左に見えるのは間ノ岳です。北岳同様、間ノ岳も白くなっていますね。

地蔵ヶ岳から薬師岳までのルートは樹林帯に入ることなく、ずっと稜線になるため風がダイレクトに当たります。冬山装備を万全にして入山しましたが、やはり寒いです。赤抜沢ノ頭から観音岳を経て、2時間ほど歩くと薬師岳に着きます。薬師岳からは日本高標高第2位の北岳、第3位の間ノ岳、農鳥岳を見ることができます。反対側を向くと、日本高標高第1位の富士山も見ることができます。

白峰三山

△白峰三山

10月に巡視で鳳凰三山へ行きましたが、約2ヶ月の間であっという間に冬の姿に変わりました。(参考:201811月7日更新「鳳凰三山巡視(後編)」)白く染まった白峰三山はとても雄大で、何度見ても圧倒されます。

年末年始は鳳凰三山ルート上にある山小屋がいくつか営業をしてくださるので、多くの方が登られていました。年末年始営業も終わると、再び、閉山したあとのような静かな南アルプスに戻ります。入山される計画を立てている方は事前の準備をしっかり行い、無理のない登山を行ってください。

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