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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

南硫黄島

2007年12月05日
小笠原
南硫黄島。
この島は日本初の原生自然環境保全地域に指定され、人間の立ち入りを禁止した島です。
原生自然環境保全地域とは、人の活動の影響を受けることなく原生の状態を維持している地域のことです。

南硫黄島はどんな島かというと、面積は3.54km2。周囲は約7.5km。直径はわずか2km。標高は916m(伊豆諸島・小笠原諸島の中では最高峰)。そして、平均斜度45度!の火山島です。
だいたい皇居に東京タワーの3倍の高さの山があると思っていただければわかりやすいと思います。
位置は東京とグァムのほぼ中間です。(東京から1300km)
小笠原諸島最南端の島です。

この島は日本では数少ない手つかずの自然の姿が残っています。
この島だけにしか生息しない貴重な動植物。
父島・母島では絶滅の危機に瀕している動植物。
中でも、クロウミツバメは全世界で南硫黄島と北硫黄島のみで繁殖が確認されており、ネズミの繁殖等で北硫黄島での繁殖が危ぶまれている現状から、南硫黄島の繁殖地は大変に貴重な存在であります。
またこの島は、現在に至るまでほとんど人為が加わることなく自然の状態が保たれてきたので、海洋島における自然状態での生物相、あるいは生物群集の成立や発展を実際に調べることができる貴重な島です。
このような島は日本では他にないでしょう。

今までなかなか南硫黄島のことについて知る機会もありませんでしたが、1936年、1982年に続き2007年6月に25年ぶり3回目の学術調査に入りました。
その調査の詳細は先日テレビにて放映されましたが、見逃した方に朗報です!
神奈川県にある、神奈川県立生命の星・地球博物館にてこの調査の様子と成果を展示しています。
温泉に行くついでに足を運んでみて下さい。

詳しくはこちら、
http://nh.kanagawa-museum.jp/event/tokubetu/index.html