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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

抹香鯨

2008年10月15日
小笠原
10月も半ばに入り他の地区の日記を読んでいると紅葉の写真が多いですが、小笠原はまだまだ秋にはなってません!

10月の小笠原は水温も高く、海も穏やかで(台風が来なければ)、人も少なく、穴場の時期なのです。
さすがに冬に近づいてくると海も荒れやすくなってくるので、今のうちに外洋に出かけてきました。
今日紹介するのは小笠原の外洋に住む動物です。


マッコウクジラ(ハクジラ亜目マッコウクジラ科)
体長は雄18m、雌11m。
体重は雄45t、雌15t。
北極から南極まで世界中の海洋に分布していて、だいたい深海域(水深1000m以上)に多くいます。
雄は世界中回遊していますが、雌と子供は何頭かの集団を作って暖かい地域で回遊しています。
小笠原は世界でも珍しく、マッコウクジラが定住しているのです。
ですので1年中ウォッチングできます!(冬は海が荒れているのでベストシーズンは春~秋)

マッコウクジラの特徴は
バスみたいに大きい体、その1/3ほどは頭。
頭部左側に噴気孔(ブローホール、つまり鼻)があり、そこから斜め45°にブロー(潮吹き)します。
潮吹きといっても、実際潮をを吹いているわけではありません。
これは、高い圧力で噴き出した息が、外へ出ると急激に圧力が下がることにより温度が下がって息に含まれる水分が霧状になって(白くなって)出てきます。
つまり、寒いところで息をすると白く見える現象と同じことです。
一度、間近でブローを見ましたが、、、臭いです(xx)

またマッコウクジラは潜水の名手です。
海面で何回か呼吸をしたあと、尾びれを上げて深く潜ります。
一度潜ったら1時間弱潜りっぱなしで、その深度1000~3000mまで潜っていることがわかっています。
深海に潜ってダイオウイカなどを捕食しています。
一度、間近で潜る瞬間を見たら糞をしていきました。
衝撃的な臭さです(xx)

この前、偶然にも水中で出会いました。
とても威厳があり、威圧感を感じました。
あまりにも一瞬の出来事でしたので上手く写真は撮れなかったですがご覧下さい。

子供のマッコウクジラ、左隅に写っているのは大人のマッコウクジラの頭