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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

4回目の引越し、そして… (最終回)

2011年03月25日
小笠原
東北関東大震災により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
被災された皆様やそのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。  

また、日々の生活の中では節電にご協力いただきありがとうございます。
今後も引き続きご協力のほど宜しくお願い致します。


今年も無事ヒナの引越しも終わったーとホッとしながら、撮った写真などを整理をしていたら、2/10に現地にいる山階鳥類研究所の方から、2008年に飼育したアホウドリを飼育サイトで確認しました!と連絡が来ました。

戻ってきたのは2008年5月20日に巣立った個体
そのとき付けた足環(Y01:雄)で確認することが出来ました。
なお、繁殖開始年齢は7歳頃のため、すぐに繁殖活動を行うものではありません。





写真提供:(財)山階鳥類研究所

Y01は飼育員達が飼育サイトに到着した7:30にはすでに降りており、9:20に飛び立つまで、雛のまわりをうろうろしながら歩きまわっていましたとのことでした。
また、人を極度に警戒する様子は見られなかったようです。

実は今年度から、戻ってくるであろう若鳥が人工給餌している人間達に警戒しないよう、ヒナ達がいる所とデコイが多くある所を簡易的な柵で分断していました。



(ホント簡易的ですが、無いよりはマシだろうと言うことで…)

でも、この若鳥は人間よりもヒナ達に興味があるのか、そばで人間が人工給餌しているにも関わらず警戒行動をすることもなく、1羽1羽順番にヒナ達の様子を見ていたそうです。
少しでも人工給餌している人間から警戒が薄れるように柵を設置したのに、アホウドリの方から柵を越えてきてびっくりしたと飼育員の方が言っていました。
また、ヒナもその若鳥に対して餌乞(えごい:餌を欲しがること)をしていたそうです。

そして、その2週間後の2/24にはY04(雄)も聟島に里帰りしてきました。
このY04はY01が聟島で見られたときには、鳥島で見られていました。
しかもこのY04は聟島で見られた翌日にはまた鳥島で見られていたそうです!
鳥島と聟島は約350kmもありますが、アホウドリにとってはちょいと散歩する距離なの
でしょうか!?

さらに、3/12にはY03(雌)が里帰り、3/17にはY06(雌)が里帰りしました。
何と何とっ!そのY03とY06が求愛ダンスをしていました~♪(雌同士ですけど…)

今の所10羽巣立って4羽が里帰りしています。
これからもっと戻ってくるかもしれません。
もしかしたら、そう遠くないうちに聟島で繁殖が確認されるかも知れませんね。


(おしまい)