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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

毎年恒例!春の巡視

2012年05月09日
小笠原
毎年恒例のこの時期にしか(歩いて)行けない場所へ巡視に行きました。
春の大潮だと濡れずに(泳がずに)いけるからです。

潮が引いてサンゴが出ちゃってます。



春の麗らかな陽気のせいなのか?!オカヤドカリ達は昼寝をしていました。




そして現場に到着
まずはこの花



テッポウユリ
これは園芸で持ち込まれて野生化したものです。
この時期になると島のあちこちで見られます。


巡視目的の花はこちら



ツルワダン(キク科。固有種。VU:絶滅危惧Ⅱ類)
海岸近くに見られます。
草丈は20cm前後で、かわいらしい黄色い花を咲かせます。




次の花はこちら



オガサワラアザミ(キク科。固有種。VU:絶滅危惧Ⅱ類)
こちらも海岸付近で見られます。
根茎がゴボウのように似ていて、戦前は食用に用いられたそうです。
そのことから、島名はカイガンゴボウと呼ばれています。
草丈は1m前後で、真っ白な花を咲かせます。


続いての花はこちら



オオハマボッス(サクラソウ科。固有種)
こちらも海岸付近に見られますが、ときどき山の中の裸地化した岩場でも見られます。
日本、東南アジア、インドなどにみられるハマボッスの大型化したものです。
ちなみにボッスとは漢字では『払子』
花序の姿が、仏教の儀式で使うはたきのような形をした法具に似ていることが由来だそうです。


ツルワダン、オガサワラアザミ、オオハマボッスともノヤギの食害があるので、父島で生育している地域はごく一部です。
最近ではノヤギの駆除も進んで、数も減ってきているので、所々見られるようになってきました。

何年か経ったら父島でも、春になったら白い花(+少しの黄色い花)で覆われる姿が見られそうですね!!