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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

十匹十色

2012年08月02日
尾瀬国立公園
今回は尾瀬で出会った小さな生き物をクローズアップしてみたいと思います。

まずはヒメバチ科の一種です。

腹部の後ろに見られる長い針のようなもの(約3㎝)は、
人間などの外敵を刺すための武器!ではありません。
この長い針のようなものは「産卵管」と呼ばれ、
ハチやチョウの幼虫に刺して卵を産みつけるための器官です。

続いてはアカケダニです。
林内の木道の上を真っ赤な点が動いているのですぐに気がつきます。

ダニといっても成虫は動物の血を吸うことはありません。
土壌の有機物を食べて生きています。
体中に赤い毛が生えていて、別名:ベルベット・マイトといいます。
彼らの繁殖形態もまた変わっています。
詳細は下記のURL参照(中日新聞CHUNICHI Webのサイトです。)
http://eco.chunichi.co.jp/column/column11/2012/05/post-26.html

最後にご紹介するのはカゲロウです。

彼らは幼虫の時期は水の中で生活していますが、
生殖活動のためだけに成虫になり、食事すらしません。
成虫になってからは、わずか1~3日程で死んでしまいます。
今日出会ったカゲロウは、明日はこの世に存在していないかもしれません。

身近な生き物を掘り下げてみると、面白いことが分かるかもしれません。
夏休みの自由研究にいかがでしょうか?

※どんなに小さな生物でも国立公園の特別保護地区内で捕まえる行為は法律で禁止されています。
気がついたらカバンの中に・・なんて言い訳は通用しませんのでご注意ください。