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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

尾瀬沼のニッコウキスゲ

2013年07月23日
尾瀬国立公園
檜枝岐自然保護官事務所の長峯です。

ついこの間開山したばかりと思っていたのもつかの間、あっという間に尾瀬沼ではニッコウキスゲがピークを迎えています。
20日(土)には一目尾瀬沼のニッコウキスゲを見ようと、木道に登山客が溢れました。


近年、尾瀬沼では、ニホンジカによる湿原植生への被害が顕著になってきており、この被害を食い止めるために、先月6月6日に南会津尾瀬ニホンジカ対策協議会が設立されました。

7月1日~7月28日迄、協議会のニッコウキスゲ食害防止対策事業として、福島県を初め、尾瀬保護財団、檜枝岐村、林野庁、環境省の各機関が連携して、18:00~翌朝5:00の間、ニホンジカの追い払いを行っています。

その成果もあったのか!?今年は昨年よりもニッコウキスゲが多く咲いたようです。
もちろん、花芽の数が昨年に比べると全然違うのですが・・・。



巡視をしていると、10年ぶり、20年ぶりに来たという登山客とお話する機会があります。
口を揃えて、「昔は湿原の入り口から一面ニッコウキスゲだったのに・・・」「噂には聞いていたけど、ここまでシカの被害がすごいと思わなかった」と言われます。

果たして、ニッコウキスゲが減ったのはシカの食害の影響だけでしょうか?

植物も環境の生き物。私たちの分からないところで、もしかしたら自然環境が変わっているのかも知れません。
私たちがすばらしいと思う景色を残して行くためには、どうしたら良いか考えなければいけませんね。

さて、現在尾瀬沼ビジターセンターでは企画展『知って欲しい燧ヶ岳のあれこれ!』を行っています。

燧ヶ岳に登る前、登った後、今後登りに来ようと思っている方、是非ビジターセンターに寄って、東北最高峰の燧ヶ岳について学んでいって下さい!