アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
カタツムリを守る意味
2013年12月18日
小笠原
今日は東京の天気予報に雪マークがありましたね。
もう街は冬一色ではないでしょうか?
僕は最近、カタマイマイの調査に同行させて頂いています。
そこで今回は、小笠原諸島「父島」の現状について少し触れてみたいと思います。
さて、突然ですが「カタツムリを守る」と聞いて皆さんはどう思われますか?
カタツムリと聞いてもあまりピンと来ないのではないでしょうか。
ましてや「守る」と言われても不思議に思われるかもしれません。
しかし、小笠原の世界遺産にとってカタツムリは無くてはならない存在なのです。
「現在進行形の生物進化」-大陸から遠く離れた小笠原諸島では、
そこにたどり着いた生物たちが独自の進化を遂げてきました。
中でも陸産貝類は100種以上が存在し、その内90%を固有種が占めます。
特にカタマイマイはその象徴とも言える種で、木の上から落ち葉の下まで、様々な場所に適応して進化をしてきました。
そしてその進化は現在でも続いていると言われています。
生物進化の過程を示し、現在も進化しているカタツムリ
小笠原の世界遺産にとってカタツムリは重要な価値を持っているのです!
父島の固有種であるチチジマカタマイマイ
しかし、実はもう父島にカタマイマイはほとんど残っていません。
かろうじて残っている数カ所も、数年後にはいなくなるだろうと考えられます。
その一番の原因は外来種のニューギニアヤリガタリクウズムシです。
これは陸棲のプラナリアで、主に陸貝を捕食します。
しかも一度侵入を許すとそこにいる陸産貝類を食べ尽くし、
繁殖力の弱い固有種はこのプラナリアに対抗できません。
陸産貝類を食べ尽くすニューギニアヤリガタリクウズムシ
現在のところ、ニューギニアヤリガタリクウズムシの駆除に有効な手段はありません。
父島のカタマイマイに纏わり付く「絶滅」の二文字は非常に現実味を帯びてきているのです。
環境省ではカタマイマイの残る地域で、柵による防衛を検討していますが、
今はただ侵入を防ぐことしか出来ません。
父島のカタマイマイは今、「絶滅」との戦いの最前線にいるのです。
飼育下のチチジマカタマイマイ
絶滅した生物はもう元には戻りません。
そして私たちは今預かっている「世界遺産小笠原」は、
未来の世代に引き継がなければなりません。
だから僕らは「カタツムリを守る」のです。
いつか父島でカタマイマイが普通に見られる日が来ることを信じて
もう街は冬一色ではないでしょうか?
僕は最近、カタマイマイの調査に同行させて頂いています。
そこで今回は、小笠原諸島「父島」の現状について少し触れてみたいと思います。
さて、突然ですが「カタツムリを守る」と聞いて皆さんはどう思われますか?
カタツムリと聞いてもあまりピンと来ないのではないでしょうか。
ましてや「守る」と言われても不思議に思われるかもしれません。
しかし、小笠原の世界遺産にとってカタツムリは無くてはならない存在なのです。
「現在進行形の生物進化」-大陸から遠く離れた小笠原諸島では、
そこにたどり着いた生物たちが独自の進化を遂げてきました。
中でも陸産貝類は100種以上が存在し、その内90%を固有種が占めます。
特にカタマイマイはその象徴とも言える種で、木の上から落ち葉の下まで、様々な場所に適応して進化をしてきました。
そしてその進化は現在でも続いていると言われています。
生物進化の過程を示し、現在も進化しているカタツムリ
小笠原の世界遺産にとってカタツムリは重要な価値を持っているのです!
父島の固有種であるチチジマカタマイマイ
しかし、実はもう父島にカタマイマイはほとんど残っていません。
かろうじて残っている数カ所も、数年後にはいなくなるだろうと考えられます。
その一番の原因は外来種のニューギニアヤリガタリクウズムシです。
これは陸棲のプラナリアで、主に陸貝を捕食します。
しかも一度侵入を許すとそこにいる陸産貝類を食べ尽くし、
繁殖力の弱い固有種はこのプラナリアに対抗できません。
陸産貝類を食べ尽くすニューギニアヤリガタリクウズムシ
現在のところ、ニューギニアヤリガタリクウズムシの駆除に有効な手段はありません。
父島のカタマイマイに纏わり付く「絶滅」の二文字は非常に現実味を帯びてきているのです。
環境省ではカタマイマイの残る地域で、柵による防衛を検討していますが、
今はただ侵入を防ぐことしか出来ません。
父島のカタマイマイは今、「絶滅」との戦いの最前線にいるのです。
飼育下のチチジマカタマイマイ
絶滅した生物はもう元には戻りません。
そして私たちは今預かっている「世界遺産小笠原」は、
未来の世代に引き継がなければなりません。
だから僕らは「カタツムリを守る」のです。
いつか父島でカタマイマイが普通に見られる日が来ることを信じて