2014年12月12日
2件の記事があります。
2014年12月12日化石観察会を 開催しました
秩父多摩甲斐国立公園 野崎 拓
12月6日、東京都あきる野市にて自然観察会「親子で秋川上流の化石を観察しよう~化石から見る3億6千万年の歴史~」を開催しました。
現在あきる野市、日の出町、檜原村では秋川流域ジオパークの認定を目指しています。
今回観察会を開催した三ツ合鍾乳洞周辺は、国立公園内であり、ジオパークの候補地にもなっている場所です。
集合場所の小宮ふるさと自然体験学校で国立公園と化石についてレクチャーを受け、その後三ツ合鍾乳洞へ向かいました。
鍾乳洞の見学のあとに、東京のこの地域になぜ化石があるのかという解説を聞きました。クラッカーとクリームでプレートの動きを表現したユニークな説明でした。
説明に使われたお菓子の中にも化石が観察された石灰岩から取った成分が含まれており、スタッフの方の話では触れない日、食べない日はないといいます。化石に関するものなんてこのような観察会でもなければ触れる機会はほとんどないと思っていたので、とても興味深い話でした。この話を聴いてから化石がとても身近に感じられるようになりました。
昼食後は川岸へ下り化石を観察しました。
途中雪が降り出しとても寒い中での観察会でしたが、参加者の皆さんは夢中になって化石を探していました。
化石観察をした場所は、国立公園内でありジオパークの候補地でもあり、大切な資源を守るため、観察のみ行いました。せっかく見つけた化石も元の場所へ戻さなければならないので、参加者の方が満足できないのではと思っていたのですが、観察会後のアンケートではほとんどの方から満足の回答をいただくことができました。魅力的な解説をして下さった、ジオパーク推進会議と小宮ふるさと自然体験学校の皆さんのご協力のおかげだと思います。
寒い中足を運んで下さった参加者の皆様、ご協力下さったスタッフの皆様、ありがとうございました。
こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の周辺でも雪が降るようになりました。ここのところ、山から足が遠のいて、少しさびしい毎日を過ごしていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
さて、山に行けないなら、行ったつもりになってしまおう!
というわけで、冬の間は夏の活動中に出会った生き物を紹介していこうと思います。
何から紹介しようかなと、写真を見返してみたところ...
あら...?なんか地味な生き物ばかり写真に収めているような...。
夏の間、私は地味な生き物に吸い寄せられていたようです。
地味でも南アルプスの大切な生き物です。
今回はちょっとふしぎな生き物を紹介します!
夏、高山帯の稜線を歩いていると、ハイマツの根元などに何やら白いものが...
【見たことあるという方もいるのではないでしょうか?】
小動物の骨!?
枯れた枝??
ちらっと見ただけでは、生き物の感じがしないふしぎな白い物体...。
でも、よくよく見ると「生えてる」んです。
こいつは一体何者なのか!?
実は、地衣類という生き物です。
調べてみると「ムシゴケ」。
そっくりの種類に「トキワムシゴケ」というのもあるようなので、どちらかわかりませんが、高山帯に分布する種類だそうです。
【じっくり見ると陶器みたいで綺麗だし、かわいい。と思うのは私だけ?】
足もとには目立たないけど、花とは別の美しさのあるふしぎな生き物がひっそり生きています。
あまり注目されない生き物にスポットを当てて紹介するのがきっと私の使命。
これから地味な(!?)生き物を紹介していきます。お楽しみに!
◆南アルプスの生き物を知ろう!まめまめ知識
【 「地衣類」って何?? 】
菌類と藻類が一緒になって生きている(共生している)生き物。
キノコとも植物とも違う不思議な生き物です。
「地衣類」には、今回紹介したムシゴケの他にも、ウメノキゴケやハナゴケなど『コケ』と名のつくものがたくさんありますが、「コケ植物」(スギゴケ、ゼニゴケなど)とは全く別の生き物です。
ややこしいですね。