アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
至仏山登山
2015年07月08日
尾瀬国立公園
こんにちは。
7月1日、至仏山の山開き式が登山口の鳩待峠でおこなわれました。
5月の連休後、残雪期の植生保護のため、至仏山の登山道は閉鎖されていましたが、
いよいよ夏山シーズンの登山解禁です!
山開き式の様子
そこで、6日に至仏山に登ってきました。あいにくのお天気で、残念ながら景色は霧の中でしたが、
たくさんの花々が出迎えてくれました!
そう、至仏山は日本百名山であると同時に、花の百名山でもあり、高山植物の宝庫なのです。
至仏山山頂一帯は蛇紋岩という岩石でできていて、鉄やマグネシウムを多く含み、普通の植物は生育できません。そのため、氷河期の植物の生き残りや、この土地にあわせて形を変えたものなど、蛇紋岩地特有の植物が多く見られます。
オゼソウ
初めて至仏山で発見され、その名がつきました。
他には谷川岳と北海道の天塩山地にしかない貴重な植物です。
ホソバヒナウスユキソウ
歌で有名なエーデルワイスに近縁の植物♪
ジョウエツキバナノコマノツメ
名前にスミレとつかないスミレの仲間。
きれいな花たち、ついもっと近くで見て、いい写真を撮りたくなりますよね。
しかし、花を見るために登山道から外れてしまうと、踏圧や土壌流出によって
植物が生育出来なくなってしまいます。
太古の昔から細々と生き残ってきた貴重な植物をこれから先も残していくために、
登山道、木道からは外れずに、ルールを守って至仏山登山を楽しみましょう。
※山ノ鼻から至仏山は登り専用ルートで、下山には使えないので、ご注意下さい。
また、蛇紋岩は濡れると大変滑りやすいので、足下には十分気をつけて下さい。