アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
草紅葉のアヤメ平
2015年09月17日こんにちは。
アヤメ平から八木沢道経由で尾瀬ヶ原まで巡視に行ってきました。
尾瀬では幸いにも先日の大雨による大きな影響はなく、
今回歩いたコースも異常はありませんでした。
アヤメ平は標高約1900mの山上に広がる湿原です。
その名前から、さぞかしキレイなアヤメのお花畑があるのかと思いきや、
実は、キンコウカの葉をアヤメと間違えて名付けたのが由来といわれています。
それだけキンコウカが一面に広がり、夏の黄色い花や、秋の草紅葉は見事!
そして、これからがちょうど草紅葉がきれいな季節です。
色づくキンコウカの葉
池塘も点在し、その奥に燧ヶ岳や周辺の山々が見える光景は別天地のようです!
アヤメ平から望む燧ヶ岳 青空を写す池塘
前回の至仏山の記事で植生復元について紹介しましたが、
ここアヤメ平も長年、植生復元を実施している場所として知られています。
かつて天空の楽園と呼ばれたアヤメ平には、尾瀬ブームといわれた昭和30年代に大勢の登山者が押し寄せ、
湿原が踏みつけられぬかるみが広がり、泥炭がむきだしになるなど、その姿は様変わりしてしまいました。
昭和40年代頃から、群馬県や東京電力を中心に植生復元が行われています。
40年間かけてその姿は戻りつつあるものの、いまだ回復していない箇所などもあり、
自然の保護と利用について考えさせられる場所でもあります。
今も残る過去の爪痕
尾瀬ヶ原もだんだんと草紅葉が進んできています。見頃は例年9月下旬から10月上旬です。
初夏から色とりどりの花が咲いた尾瀬にもエゾリンドウが咲き、花のシーズンに終わりを告げます。
エゾリンドウ 池塘に浮かぶヒツジグサの葉も色づいています
尾瀬では気温がぐっと低くなり、日も短くなってきました。
余裕を持った計画をたて、防寒服やライトなどの装備を用意して、秋の尾瀬を楽しんでください♪