アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
第6回 尾瀬・日光シカ対策ミーティング@戦場ヶ原
2016年10月21日こんにちは。
第6回目となる尾瀬・日光シカ対策ミーティングが、先週の10月12日~13日に
日光自然環境事務所主催のもと開催されました。
シカ対策の取り組みの現場・戦場ヶ原を会場に、
尾瀬・日光地域のシカ対策に関わる、国・県・市町村・調査業者など担当者が集まり、
情報共有や現場視察をしました。
初日は、各機関のシカ対策の取り組みや捕獲の実績などについて情報共有し、
意見交換を行いました。
その後、辺りが暗くなる頃、マイクロバスに乗り合わせて、ライトセンサス調査※に出発!
さすが、日々シカに関わる担当者の目が多かったせいか、みなさん次々とシカを発見!
【ライトセンサスで見つけた立派なオスジカ】
二日目は、小田代ヶ原周辺のシカ対策の取り組み現場を視察しました。
シカ侵入防止柵の人の出入り口部分が、ワンウェイドア(柵外からは引かなければ入れない)であったり、
くるくる回る回転扉だったりと、工夫が凝らされていました。
【柵出入り口の回転扉】
柵の解放部(シカ侵入防止柵を閉じることが出来ない箇所)には、
シカ侵入防止のための超音波装置(参加者の中で聞こえる人と聞こえない人に分かれ、聴力検査みたいでした。キーンと頭に響く不快な音です。)が設置させていたり、
蹄のあるシカが歩行を嫌がるグレーチングと合わせて、道路にグレーチング模様をつけ、
侵入意欲を喪失させる作戦などなど、ユニークな取り組みを見る事ができました。
【グレーチングと超音波装置】
モニタリングのセンサーカメラの画像によると、効果は発揮されているようです!
最後に湯元ビジターセンターで、シカ対策の展示や関連資材の見学をし、
内容盛りだくさんのミーティングは終了です。
奥日光での取り組みが、全ての地域にそのまま適用できる訳ではありませんが、
取り組みを行う上での良いヒントになったのではないでしょうか。
なにより、各地域でシカ対策に真剣に取り組んでいる担当者が顔を合わせ、意見を交わし、
対策の現場を訪れ体感したことは、今後の対策を行う上で励みになります。
なかなか思うように対策が進まなかったり、効果がすぐに現れないなど、課題の多いシカ対策ですが、
今後も関係者で情報共有を図りながら、一生懸命取り組んでいかなければいけないと思わされたひとときでした。
※ライトセンサス調査
夜間、低速走行の車からスポットライトを照らして、シカの数をカウントする調査。