アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
至仏山残雪調査2017
2017年04月17日こんにちは。
尾瀬の麓、片品村で過ごした2度目の冬は、雪がよく降り寒さが身にしみる、
雪国を体感した冬でしたが、ようやく辺りの雪もとけ、心待ちにしていた春がやってきました。
(桜の開花はもう少し先です。。)
そして、今年も至仏山の残雪状況を確認をするため、この時期恒例の至仏山残雪調査に参加してきました。
調査日は4月13日です。
昨年は記録的な少雪は尾瀬関係者を驚かせ、ミズバショウなど植物の開花が半月程早まるなど
様々な影響がありましたが、今年の積雪量はどうでしょう?
まず、出発地点の鳩待峠へ。
そこには、雪の大谷を思わせる雪壁が周囲にドーンと立ちはだかっていました。積雪はおおよそ4m!
「この時期にこんなに雪が多いのは初めて」とガイドさんや地元の方が言うほどの積雪量です。
そして、気を引き締めて、いざ残雪の至仏山へ!
鳩待峠から至仏山間の3箇所に設置されている積雪深計を確認していきます。
鳩待峠付近:3m(2016年4月18日:65cm、2015年4月23日:2.1m)
なんと、昨年の5倍弱程の積雪量です!
標高1780m付近:3.3m(2016年4月18日:1m、2015年4月23日:2.5m)
標高1850m付近:3.6m(2016年4月18日1.1m・2015年4月23日2.9m)
写真左が去年の様子、右が今年の様子です。(赤いラインが同じ位置!)
私はこの残雪調査に3回参加しましたが、少雪と大雪の両極端を経験し、年によってこれほど違うのか・・
と驚かされました。
そしてなんと、3箇所とも記録の残る平成19年以降、一番多い積雪量でした!
調査のルートを進みながら、山岳遭難救助隊の方が冬道の目印となるピンクテープをつけていきます。
ポールの指す先が去年のテープ位置です。
この日は予報では晴れ予報でしたが、次第に雪が降り始め、辺りはガスで真っ白に。
今回は山頂まではいかず、途中で引き返すことになりました。
空に溶け込む残雪の至仏山
残雪期の至仏山利用者に向けて、【至仏山利用ルール】を作成しています。
入山される方は、登山計画・雪山装備を万全に、植生保護や安全のためルールを守って行動して下さい。