2017年6月15日
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2017年06月15日仙石原湿原の青草刈り
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
暖かくなってきたなと思ったら、また肌寒い日が続いている箱根です。
そんな中でも仙石原湿原の植物はすくすくと育っています。
今回は箱根町が主催する仙石原湿原の青草刈りに参加してきました。この青草刈りは仙石原湿原内でススキやヨシなどの背の高い植物を何カ所か刈り、光が必要な植物の育成を促進する目的で行っています。2000年から行われているので、今年で18年目になります。
仙石原湿原は場所によって、地面の乾燥具合が異なります。
こちらの箇所では水位が高いのでヨシが多く育っています。ヨシはすでに人が隠れるほど大きくなっていました。
ヨシは1本1本の茎が太いので刈りやすいです。
順調に作業は進み...
刈取り終了!
これによって、ヨシの下に隠れていた植物にも光が当たります。
こちらの場所は乾燥しいて、背丈の低いススキが多く生えていました。
ススキの本数も多く、他の植物を誤って切らないようにして刈り取る作業は骨が折れます。
最後は総出で作業。
綺麗に刈れました!
以前、同じ方形区内で半分を手刈り、半分を機械刈りで試したところ、選択的に刈取りを行える手刈りの方がやはりその後の植物の出現種数が多かったようです。
今後、刈り取った場所とそのままの場所でどのような植生の違いが出てくるのか楽しみです。
尾瀬沼、尾瀬ヶ原共に雪解けが進みミズバショウだけでなくキンポウゲやザゼンソウなども徐々に顔を出してきました。
さて、今回はハルザキヤマガラシについて少し紹介します。
ハルザキヤマガラシとは繁殖期は春で日本に広く分布しているアブラナ科植物です。
(ハルザキヤマガラシ)
このハルザキヤマガラシという植物は実は日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
日本の侵略的外来種ワースト100とは植物だけでなく他にもほ乳類や鳥類、両生類、魚類なども含まれており、外来種の中でも生態系や人間活動への影響が特に大きい種を優先的に取り上げています。
その中に入っているハルザキヤマガラシ、、、
実は尾瀬にも出現する可能性はあります。
繁殖力の強いハルザキヤマガラシは一度繁殖すると、あっという間に周辺に広がります。
そういったことが起きないように、尾瀬につながる公道沿いに外来種調査を実施しました。
御池→七入まで降りたところで、、、現れました。
ハルザキヤマガラシです。
(ハルザキヤマガラシ駆除作業後)
開けて日光がよく当たる場所に、繁殖するそうで、6月の中旬くらいが一番繁殖力が強い植物です。
駆除(採取)できるだけしましたが、まだまだ安心はできません。
今後も様子を見つつ駆除を行うことが必要そうです。
【おまけに】
公道を歩きながらの調査だったので様々な種の植物を見ました。
(トリガタハンショウヅル)
この種の花を見られることは少しだけ珍しいようで、とてもラッキーでした。
白くてきれいな花の形をしていましたが、どの辺が鳥形なのか気になるところです。
(トリガタハンショウヅルの花)
皆さんも探してみてください!