2017年6月16日
2件の記事があります。
2017年06月16日トキが暮らす島、佐渡
佐渡 近藤陽子
みなさま、こんにちは。
佐渡ではトキのヒナが続々と巣立ちを迎えています。
(環境省の巣立ちの定義:ヒナが両脚を巣外に出した時点)
<巣立ちするヒナ(右):5/24撮影>
6月16日現在、80羽を超えるヒナが佐渡の自然界で誕生しています。
今回は、トキを含む多くの生き物が生息する佐渡をご紹介したいと思います。
佐渡島(新潟県佐渡市)は、アルファベットの「S」の字に似た形をしており、面積約855㎢、海岸線約280㎞、人口約6万人の、日本海側最大の島です。
北には大佐渡山地、南には小佐渡山地があり、その間に国仲平野が広がっています。
(☆印:環境省 佐渡自然保護官事務所 所在地)
国仲平野は水田に覆われ、しばしばトキが舞う姿が見られます。平野部の水田をはじめ、水田の向こうに海が見える佐渡ならではの景色を織りなす海岸段丘に作られた棚田、谷戸(やと)と呼ばれる谷間に作られた緑豊かな水田など、水田ひとつをとっても、様々な種類があり、それぞれに魅力があります。
<水田の向こうに海が見える佐渡らしい風景> <谷戸に作られた蓮池と水田>
人の手によって維持・管理されている水田(二次的自然)は、メダカやドジョウ、佐渡固有のサドガエルを含む両生・爬虫類、昆虫など、多くの生き物の命を支えています。
<サドガエルを食べるトキ>
佐渡の豊かな自然は陸上だけにとどまりません。海の中を見ても豊かな環境が広がっていることが分かります。
佐渡の海の透明度は非常に高く、海藻が多いのが特徴です。海藻のいご草を加工した、佐渡の郷土料理「いごねり」をはじめ、生ワカメ、ナガモ、ギンバソウなど、さまざまな海藻や海藻加工食品が小売店に並んでいます。
<抜群の透明度を誇る佐渡の海> <海藻の森>
佐渡の海は、人の食を支えるだけでなく、日本海独特の多様な生き物が見られるダイビングポイントとしても有名で、国内外から観光客が訪れます。
<佐渡 北小浦沖になわばりを持つコブダイのヤマト> <ミズクラゲの大群>
「佐渡といえばトキ!」と思われがちですが、トキだけではなく、トキを支えるこうした自然に目を向けると、佐渡の魅力が一層輝きを増して見えてくるのではないでしょうか。
現在200羽を超えるトキが生息できるほど佐渡の自然は豊かだと言えます。しっかりとした土台がなければ、トキが舞う佐渡にはなりえませんでした。
今でも残る、里地里山の風景、自然と共存する生活スタイル。
あなたも一度、佐渡の自然を体感してみてはいかがでしょうか。
みなさん、こんにちは。南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
6月といえば梅雨ですが、雨が降らないのであまり梅雨らしくないですね。
さて、南アルプス自然保護官事務所では、6月12日に、北岳登山道上の2か所に登山者カウンターを設置してきました。
この登山者カウンターは、登山道の利用状況を調査するために平成22年から毎年設置をしているものです。
広河原から北岳山頂に続く大樺沢ルート、白根御池ルートのそれぞれについて、どのような時間に、どのくらいの人がどの季節に利用しているのかを調べています。
(取り付けの様子)
わたしも保護官も登山者カウンター設置は初めてだったので、いろいろと試行錯誤を重ね、なんとか完成させることができました。
今後は定期的に通ってメンテナンスを続け、雨にも、風にも負けず、夏の暑さにも負けずにカウントしてくれることを期待したいと思います。
今年はどのくらいの人が登られるのか、結果が楽しみです。
このようにして設置したカウンターですが、カウンターの正面で立ち止まったり、複数人が同時に通過してしまったりするとうまくカウントできないことがあります。
カウンターを見かけた際には、1人ずつ、立ち止まらずに通過するようご配慮いただけるとありがたいです。
みなさまのご協力、よろしくお願いします。
来週23日から冬季閉鎖が終わり、バスや乗合タクシーで広河原や北沢峠に入れるようになります。
いよいよ南アルプス全体の山開きですね!
12日の北岳の様子です。広河原から見てもこれほどの雪の量です。
(まだ雪が残る北岳)
(大樺沢に残るたくさんの雪)
さらにズームアップしてみると、大樺沢にはびっしりと雪がついています。
開山まであと1週間ほどですが、果たしてこの雪はどのくらい溶けるのでしょうか...?