アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
外来アリ対策最前線in小笠原!
2017年07月21日
小笠原国立公園
こんにちは!小笠原の古田です!
最近、ヒアリが話題になっていますが、実は小笠原諸島にもヒアリではありませんが外来種のアリが侵入しています。
名前はツヤオオズアリ(Pheidole megacephala)です。
このアリの何が問題かというと・・・小笠原在来のアリの生息地に侵略的に増えていき、小笠原固有の微小な陸産貝類(大きさ数ミリのカタツムリ)を食べ絶滅に追いやってしまうことが、最近の研究で分かってきました。
そのため、現在環境省・林野庁・東京都・小笠原村などでツヤオオズアリの駆除を行っています。こちらは対策を行っている場所の1つ、父島の宮之浜です。
この浜は、兄島など周辺無人島へのカヤックツアーや、作業員の渡船の発着場となるので、浜に侵入しているツヤオオズアリを拡散させないために、駆除が必要となっています。
実際にはベイト剤(毒入りエサ)を設置し、ツヤオオズアリを駆除していきます(この辺りはヒアリと対策が似ています)。できるだけ他の生き物が食べないように、金属網でエサを包みます。以下は作業の様子です。
作業の様子(ベイト剤の交換をしています)
ベイト剤
設置トラップ
以下はツヤオオズアリ(働きアリ、体長は約2mm)です。
和名の通り、体にツヤ(光沢)があります。オオズ(大頭)アリですが、写真のものは働きアリなので頭部が大きくないです。兵隊アリは頭が大きいです。
ツヤオオズアリは多女王制(1つの巣に女王アリ(繁殖個体)が複数個体存在)なので繁殖力も強く、駆除には継続した努力が必要です。
貴重な陸産貝類を守るためにも、今後もツヤオオズアリ対策を継続していく予定です。
小笠原に来られる際には、外来生物を持ち込まない、拡げないようご協力をお願いします!