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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

保護したオガサワラオオコウモリの野生復帰!!

2017年07月13日
小笠原国立公園

こんにちは!小笠原ARの荻野裕太です

小笠原固有で島に生息する唯一のほ乳類、オガサワラオオコウモリ。

島に自生する様々な樹木の葉や果実、花を食べて暮らしています。

一方で、農家や家庭菜園の果物を食べてしまう被害もあり、

小笠原では農業被害を防ぐため果樹園にコウモリ避けの樹脂製ネットを張るなどの対策に取り組んでいます。

固い素材の樹脂製ネットに比べ、柔らかい素材のキュウリネットなどで果樹を囲った場合、

コウモリがネットに絡まる事故が発生し、翼にケガをしてしまったりします。

和 名 : オガサワラオオコウモリ

学 名 : Pteropus pselaphon

絶滅危惧IB類(EN)(環境省第5次レッドリスト)

国指定天然記念物

今年5月小笠原世界遺産センター内に動物対処室ができ、

常駐の獣医師による野生動物やペットなどの初期治療が実施できるようになりました。

そうした中、今年7月初旬にネット絡まり事故で怪我をした1頭のコウモリが、

動物対処室に搬送されてきました。

搬送されたコウモリは、獣医師や地元NPOの懸命な治療やリハビリのおかげで、

無事に野生復帰できる状態まで回復し、放獣することができました。

当日は雨でしたが、放獣されたコウモリは、

優雅に空を舞い、夕暮れの小笠原の森へ戻っていきました。

動物対処室が出来る前は、島内ではこうした治療は出来ず、島外の動物病院などに移送して治療してもらっていましたが、動物対処室が出来、一定の治療ができるようになり、野生復帰にまでつなげられたことは、小笠原世界自然遺産の価値を守るとても画期的な1歩だと思います。

〈動物対処室の運営主体〉

おがさわら人とペットと野生動物が共存する島づくり協議会 

https://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/kankyo_kyougikai/