アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
大清水湿原でのミズバショウ移植作業
2018年04月23日みなさん、はじめまして。
尾瀬国立公園を担当する片品自然保護官事務所に4月から着任しました尾池です。
直接自然に関わりAR日記から尾瀬の今を伝えていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
事務所のある片品村周辺は、桜が綺麗に咲いております(写真は天王桜)
さて、4月20日(金)に尾瀬国立公園の入山口の一つである大清水湿原でのミズバショウ移植作業に参加し、片品村や地元高校生(尾瀬高校生)等、多くの尾瀬関係者と協力してミズバショウを1千株ほど移植しました。
活動の様子
尾瀬の中は入山口から徒歩で行く必要がありますが、ここ尾瀬国立公園大清水湿原までは車で行くことでき、2010年頃までミズバショウの群生地として開花時期には多くの人が鑑賞に訪れていました。
しかしニホンジカなどの野生動物による食害がすすみ、2011年頃から地元関係者らがミズバショウの移植をするなど群生を復元させる活動を行っています。2年前から尾瀬高校生も参加し、移植作業をしております。
ミズバショウを移植してもシカなどの野生動物によってほぼ食べられてしまうという状況のなか、今年度から村や土地所有者がシカ柵を設置したり木道の整備をしたりと、片品村主体で関係者が連携しながら、「誰でも行ける尾瀬」として大清水湿原再生事業がすすんでおります。
今回の取り組みは、尾瀬に関わる色んな関係者や団体が一緒になって尾瀬を維持していこうという取り組みです。関係者の方々のお話を聞き、また高校生と協力して作業ができたことはとても有意義でした。
尾瀬が抱えている課題や自然環境の保全の難しさをみんなで考えるきっかけにもなり、今回尾瀬高校生1年生の生徒さんたちはまだ入学して間もないですが、人との触れあいや自然を大切にするといった第一歩の活動だったと思います。
最後にネットを周囲に設置し野生動物が侵入しないようにしました。
しっかり根付いて綺麗なミズバショウが咲きますように...。