関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
みなさんは『南アルプスの山』と聞いてどんなことを思い浮かべますか?「アクセスが悪い」、「歩行時間が長い」、「登山初心者向けの山がない」などが挙げられると思います。マイカー規制が始まる前の入山は長い時間林道を歩かなければならないですし、マイカー規制中ですと、バスの乗車時間に追われながらの登山になってしまいます。また、ルートによっては山小屋や山頂に着くまでの歩行時間が日帰りでは難しいところもあります。そのため、気軽に登ることはできず、重装備になりがちかと思います。
そんなあなたにおすすめの場所があります。こちらです!
看板の写真で、「なんだこれ!」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、看板の真ん中に『仙水峠』と標記されているのがお分かりでしょうか?そうです、オススメの場所とは!仙水峠です。仙水峠の標高は2,264m。スタート地点である北沢峠の標高は約2,000mなので、標高差は300mもありません。3時間半もあれば往復することができます。長時間歩くことなく、南アルプスの自然を存分に味わうことができちゃいます!仙水峠は手軽に南アルプスを楽しめるだけではなく、他にも魅力がありますのでご紹介します。
■「南アルプスの天然水」を感じる
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、南アルプスの山々では水が豊富です。南アルプスの麓にも甲斐駒ヶ岳を源流とする『尾白川渓谷』や鳳凰山・地蔵ヶ岳を源流とする『精進ヶ滝』などがあります。芦安から広河原へ来る間にもたくさんの滝がありますよね。とても水に恵まれている山域なのです。
川の底が見えるくらい透明度が高く、水温はとても低いです。また、山小屋の方が苦労してひいてくださっている水はどの小屋もとってもおいしいです。飲み比べてみてもいいですね。
■シラビソ林に広がるコケ
長衛小屋から仙水峠へ歩いていくとシラビソ林が広がります。木々の根元などいたるところからたくさんのコケたちがお出迎えしてくれます!
写真のように日が差すと光が当たっている部分のコケがとても美しいです。長期間雨が降らないとコケも水分を失ってひからびてしまいますが、この日は前日に小雨が降ったようでコケに瑞々しさがあり、美しさがさらに増していました。
■斜面にたくさんの岩石がごろごろ?
コケが美しい森を抜けるとびっくり!きっとこれまでに見たことがない世界が広がっています!
右を見ても左を見ても、上を見ても下を見ても岩石だらけです。この岩石は岩塊流(がんかいりゅう)と呼ばれ、氷期に凍結破砕作用で生産された岩屑が斜面下方へ移動し、後に細粒が流水によって除去されたために生じた地形のことをいいます。仙水峠は日本を代表する岩塊流の1つです。地質マニアの方にはたまらないスポットですね!南アルプスでは仙水峠のほかに、早川尾根上にある白鳳峠でも同じような地形を見ることができます。
仙水峠は栗沢山や早川尾根、甲斐駒ヶ岳の分岐点にもなっています。体力がある方は足を伸ばしてみても良いかもしれません。この周辺は長衛小屋を過ぎるとトイレがありません。そのため、携帯トイレを持参するようにしてください。紅葉シーズンを南アルプスで過ごしてみてはいかがでしょうか?
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
みなさんは『南アルプスの山』と聞いてどんなことを思い浮かべますか?「アクセスが悪い」、「歩行時間が長い」、「登山初心者向けの山がない」などが挙げられると思います。マイカー規制が始まる前の入山は長い時間林道を歩かなければならないですし、マイカー規制中ですと、バスの乗車時間に追われながらの登山になってしまいます。また、ルートによっては山小屋や山頂に着くまでの歩行時間が日帰りでは難しいところもあります。そのため、気軽に登ることはできず、重装備になりがちかと思います。
そんなあなたにおすすめの場所があります。こちらです!
看板の写真で、「なんだこれ!」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、看板の真ん中に『仙水峠』と標記されているのがお分かりでしょうか?そうです、オススメの場所とは!仙水峠です。仙水峠の標高は2,264m。スタート地点である北沢峠の標高は約2,000mなので、標高差は300mもありません。3時間半もあれば往復することができます。長時間歩くことなく、南アルプスの自然を存分に味わうことができちゃいます!仙水峠は手軽に南アルプスを楽しめるだけではなく、他にも魅力がありますのでご紹介します。
■「南アルプスの天然水」を感じる
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、南アルプスの山々では水が豊富です。南アルプスの麓にも甲斐駒ヶ岳を源流とする『尾白川渓谷』や鳳凰山・地蔵ヶ岳を源流とする『精進ヶ滝』などがあります。芦安から広河原へ来る間にもたくさんの滝がありますよね。とても水に恵まれている山域なのです。
川の底が見えるくらい透明度が高く、水温はとても低いです。また、山小屋の方が苦労してひいてくださっている水はどの小屋もとってもおいしいです。飲み比べてみてもいいですね。
■シラビソ林に広がるコケ
長衛小屋から仙水峠へ歩いていくとシラビソ林が広がります。木々の根元などいたるところからたくさんのコケたちがお出迎えしてくれます!
写真のように日が差すと光が当たっている部分のコケがとても美しいです。長期間雨が降らないとコケも水分を失ってひからびてしまいますが、この日は前日に小雨が降ったようでコケに瑞々しさがあり、美しさがさらに増していました。
■斜面にたくさんの岩石がごろごろ?
コケが美しい森を抜けるとびっくり!きっとこれまでに見たことがない世界が広がっています!
右を見ても左を見ても、上を見ても下を見ても岩石だらけです。この岩石は岩塊流(がんかいりゅう)と呼ばれ、氷期に凍結破砕作用で生産された岩屑が斜面下方へ移動し、後に細粒が流水によって除去されたために生じた地形のことをいいます。仙水峠は日本を代表する岩塊流の1つです。地質マニアの方にはたまらないスポットですね!南アルプスでは仙水峠のほかに、早川尾根上にある白鳳峠でも同じような地形を見ることができます。
仙水峠は栗沢山や早川尾根、甲斐駒ヶ岳の分岐点にもなっています。体力がある方は足を伸ばしてみても良いかもしれません。この周辺は長衛小屋を過ぎるとトイレがありません。そのため、携帯トイレを持参するようにしてください。紅葉シーズンを南アルプスで過ごしてみてはいかがでしょうか?