ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年10月31日

2件の記事があります。

2019年10月31日台風通過後の箱根(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

10月12日(土)に箱根を直撃した台風19号。通過後より報道各局で連日報道されているとおり、箱根町ではとても大きな被害がありました。芦ノ湖は満水となり、周辺の駐車場は水没。主要道路は土砂崩れや沢や池からの流れ出た水が道路を流れていたため、1週間程度は交通規制がありました。1日の降水雨量が日本一(1000mm)を記録しただけはあります。国道138号線や登山電車の運行も土砂崩れのため、今現在も通行止め、不通になっています。

【台風通過後の元箱根の様子(箱根ビジターセンター(以下:箱根VC)提供)】

(左)芦ノ湖岸の遊歩道。普段は右側に写っている石柱の右側が芦ノ湖。

(中)箱根VC管理の駐車場。芦ノ湖からは5mくらい離れているが、水没していた。

(右)全壊した貸しボート屋の小屋。芦ノ湖沖に漂流していたのを湖岸まで牽引してきたそうです。

台風通過後、神奈川県や箱根町、箱根VCの職員が箱根内の登山道の被害状況を調査しました。微弱ながら当職も協力させていただきました。

【登山道調査に集まった方々】

毎月第4水曜日、箱根町が主催する「箱根登山道補修隊」。今回は確認できていない登山道の調査を行うため、ボランティア含め、16名が参加しました。

【調査ルート(引用:箱根町ハイキングマップ)】

 今回は確認できていない登山道4ルートを手分けして踏査しました。当職は③を踏査しました。

 ①宮城野別荘地~明神ヶ岳~火打石岳~矢倉沢峠~金時山登山口

 ②宮城野~明星ヶ岳~塔ノ峰~塔ノ沢

 ③湯坂路入口~鷹巣山~千条ノ滝~浅間山~宮ノ下

 ④箱根関所前~屏風山~甘酒茶屋

【(左)台風通過前の千条ノ滝/(右)通過後の様子】

 登山道自体は倒木以外、通行止めになるほどの被害はなかったのですが、自然観察会で通過している千条ノ滝の滝壺と排水路が土砂で埋まり、滝前の広場は水浸し。小涌谷駅から続く遊歩道も斜面から出る沢の水が溢れて、水浸し。水が引くまでしばらく通行止めになるそうです。 

そして昨日、事前に土砂崩れが発生し通行止めになっていた宮ノ下の堂ヶ島遊歩道の補修活動に行ってきました。

【登山道補修の様子】

従来の登山道はしばらく崩落が予測でき、復旧できないため迂回路を新たに作りました。

斜面には階段、ぬかるみには石畳、手慣れたベテランボランティアの技術は相変わらず惚れ惚れします。

【打ち上げられたゴミの回収】

 この場所は早川と蛇骨川の合流地。両河川からの大量の水が押し寄せたため、川岸から数十m離れた登山道まで増水したようです。そのため、両川からの漂着ゴミが登山道場に散乱していました。漂着ゴミのほとんどは、発泡スチロールやペットボトル。日頃からゴミ拾いをしていますが、この量が流れ着くとは正直どこに捨てられていたのか怒りを覚えます。

【(左)回収後の様子/(右)回収したゴミの量】

70Lのゴミ袋10袋。袋が足りず、まだ藪の中に今回拾ったゴミくらいの量が隠れています。いつ拾いに行くか・・・。

他のコースの踏査も終わり、全ての登山道の調査が終わりました。今回確認したコース上では千条ノ滝周辺以外は通常通り散策可能ですが、未だ斜面から水が湧き出て、登山道がぬかるんでいる箇所があるため、注意して下さい。

また、登山道情報は、箱根町と箱根VCが協力して登山道情報をまとめて下さり、それぞれのホームページに現在の状況を掲載していますまた、箱根町のホームページには箱根町内の道路交通情報も掲載されていますので、箱根にお越しになる際は必ずご確認いただいてからお越し下さい。

◆箱根ビジターセンター(http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html

◆箱根町(https://www.town.hakone.kanagawa.jp/index.cfm/10,4102,48,181,html

〈本日の一押し写真〉

【雲に浮く箱根山】

今朝、北西側の外輪山から見た様子。箱根の場合は標高1000m以上の場所に行くと雲海が見やすいです。

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2019年10月31日上から見るトキ

佐渡 菅野萌

皆さんこんにちは。

佐渡自然保護官事務所の菅野です。

佐渡では朝晩がかなり冷え込む季節となり、事務所周辺の木々も色づき始めてきました。
大佐渡の山々も尾根の方から紅葉が深まり始め、朝日に照らされると一層赤みを増すのでとても綺麗です。

▲朝日に照らされる大佐渡の山々

さて、こんな良い眺めの場所で私は朝から何をしているのかというと・・・

もちろん野生下トキのモニタリングです!

ご存じのとおりトキは鳥ですから、ひとたび飛んでしまえば、林の1つや2つも何のその。

観察しているトキが建物や林の向こう側へと飛んで行ってしまえば、その行方をすぐに追うことはできません。

ねぐら出するトキを観察していても、飛んでいった方向しか把握することができず、実際どこのエサ場に降りたのかは探してみないと分かりません。そんな時、高台からのモニタリングが有効になるのです。

▲高台からのモニタリングの様子

写真のように平野部を一望できる高台から見下ろすと、トキの動きが一目瞭然!


どこでエサを食べているのかも正確にわかるので、トキを探して車で動き回っている他のモニタリングメンバーに場所を教えることができます。

▲飛んでいるトキ(左側に1羽、右側に3羽)

写真だとハッキリしませんが、実際は動いているので目立ちます

しかし、あちこちでトキが飛んでいる様子が見えてしまうがゆえに、どの群れを追うべきか迷ってしまうこともしばしば・・・

なんとか「このトキたちを最後まで追うぞ!」と心に決めてエサ場におりるところまで見届けても、その場所が一体どこであるのか特定するのに一苦労。

やはりモニタリング技術は経験がものを言うのだなと思いながら、早く一人前になれるよう今日も奮闘中です。

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