アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
【小笠原】初めての巡視
2020年06月26日皆さま、はじめまして。
6月から小笠原自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーに着任しました、鈴木と申します。
島に来てから、ビーチへ出かけてオカヤドカリを眺める日課ができました。
さて、今回は初めての巡視の対象になったウラジロコムラサキについてご紹介しようと思います。
ウラジロコムラサキは小笠原諸島の父島と兄島に生育している希少な小笠原固有の植物です。
6-7月頃には紫色のきれいな花が咲きます。
(写真 ウラジロコムラサキ)
昔、ムラサキシキブ属の祖先が島にたどり着き、適応放散によってウラジロコムラサキとシマムラサキ、オオバシマムラサキの3種に種分化したと考えられています。3種は生育場所が異なり、オオバシマムラサキは各島に、シマムラサキは父島、兄島のやや湿った平坦な山地の低木林内に生育しています。ウラジロコムラサキは父島、兄島の山地の乾燥した岩石場に生育しており、強い日差しによる乾燥を防ぐための毛が葉に生えています。
(写真 オオバシマムラサキ)
(写真 シマムラサキ)
(写真 ウラジロコムラサキ)
ノヤギやクマネズミによる食害等によって個体数が減少していることから保護増殖事業の対象種になっています。
http://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/urajirokomurasaki.html
巡視を行う際は、開花や結実の状況や食害についての確認を行うことで、生育状況の把握に努めています。
アクティブ・レンジャーに着任してすでに何度か巡視を行っているのですが、小笠原の強い日差しの中での植物の元気な様子を見ていると、生命の力強さを感じさせられます。
元気に生きている植物たちを見習いながら、私も働いていきたいと思います。
今後も、小笠原の魅力ある動植物の事などをAR日記で発信していこうと思います。
よろしくお願いします。