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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

#秩父多摩甲斐国立公園 70周年記念 第3弾!!

2020年08月05日
秩父多摩甲斐国立公園

みなさん、こんにちは。

奥多摩自然保護官事務所の小林です。

耳がかゆいシカさんです@雲取山付近

前回の更新から1週間近くあいてしまいましたが、70周年記念の第3弾をお届けしたいと思います!

これまでは、随分説明ったらしくなってしまったので、

今回からは「紹介」の要素を強めていこうと思います。

題して

「『価値って時代を越えて変わるんだね』写真ショー!!」


動植物の価値、希少さは、この国立公園ができた当所と現在で、変わってしまっています。

"この場所"にたくさんあったのに無くなってしまったもの、

"あの場所"には無かったのに今はたくさんあるもの。

今昔写真で比較して、見てみましょう。

#1話「雲取(くもとり)山のお花畑」

(※同じ構図ではありません)

左の写真で一面に咲いているのが「シモツケソウ」という花です。

およそ50年前の写真です。

今ではシモツケソウがここで咲くことはありません。

その原因はシカによる食害です。

この他にも、ヤナギラン・アツモリソウ・ツバメオモトなどの花々が雲取山から姿を消してしまっています。

代わりに今では、至る所にマルバダケブキ、一面にマルバダケブキ、ご飯を食べてもマル・・・。

他の国立公園でも同じ現象が起きていますが、マルバダケブキという植物はシカが食べないんです。

おいしくないみたいです。

▽マルバダケブキ

なのでシカの密度が高いところだと、このマルバダケブキばかりが生えている場所が、雲取山だけでなく、他の場所でも見られます。

#2話 「雁峠の赤い花」

笠取山に続く峠、雁峠。

といえばレンゲツツジ!

というほど、レンゲツツジが斜面いっぱいに咲くことで有名な場所でした。

シカし、1997年に起こった山火事によって、一度レンゲツツジの数が大幅に減少してしまいました。

その後、数は年々回復していたそうですが、今はどこにも見当たりません。

2000年代に問題になってきたシカの食害が、ここでも猛威を振るっていたと考えられます。

右の写真は10月に撮ったものなので、緑が少なく感じますが、

私が今年6月の新緑の時期に行ったときも、レンゲツツジはどこにもみあたりませんでした。

▽6月時点

###豆知識###

地域の植生に詳しい方にお聞きしたのですが、

なんと?!

普通はシカさんたち、レンゲツツジには毒があるので食べないそうです。

なのになんで?!

小さい芽のうちに食べてしまうそうです。

詳しくは分かっていないそうですが、新芽だと毒が少ない or 毒がない そうです。

食べるものがなさ過ぎてこんなことが起こっているんですね・・

#3話 「○ 。ポ○僧」

(写真が無かったため、レンジャーにも協力してもらい、絵で表現しました)

みなさんはこの鳥をご存知ですか?

"ブッポウソウ"といいます。

昔はなんとこの奥多摩にもブッポウソウがいたんです。

今は目撃情報をきかないので、もうここには暮らしていないのでしょう。

環境省の資料(上写真)によると、秩父多摩甲斐国立公園が指定された理由に、ブッポウソウ、とあります。

そもそもどんな鳥か知っていますか??

「ブッポウソウ」と鳴いているからブッポウソウ!と名付けられたはずが、実はそれは大間違い。

「ブッポウソウ」と鳴いていたのは、コノハズクというフクロウだった・・・

という話は良く知られた話ですね。

ブッポウソウは木の洞に巣を作ります。

ブッポウソウが奥多摩にいた時のことを知っている方によると、

奥多摩自然保護官事務所がある奥多摩ビジターセンターの前にある、ケヤキの木に営巣していたそうです。

ですがそのケヤキが老木のため伐採され、さらにエサとなるカナブン等の昆虫が関東では少なくなったため、営巣しなくなったとお聞きました。

雲取山の麓、三代続く三条の湯(山小屋)にも仏法僧の名が入った俳句が飾られていました。

地元では愛された鳥だったんでしょうね・・

高尾山ビジターセンターでは、巣箱を付けて呼び戻そうとしておられるそうですが、まだ帰ってきてくれていないみたいです・・戻ってきて欲しいですね。

##さいごに##

シカの食害によって、自然景観・生態系が変わってしまっているということは、シカがそれだけ影響力を持ってしまう程、増えてしまったということですよね。

山で花が見られなくなっても、私たちの生活に直接的な影響は無いかもしれません。

しかし、そこに咲いていた花がなくなるということは、その密を吸っていた虫たちや根元で寝ていた生き物たちが暮らせなくなるということです。

また、植物の根によって支えられていた土は、植物が無くなってしまったことにより崩れやすくなっており、ここ最近のゲリラ豪雨はその不安定さに拍車をかけています。

シカの密度を減らし、多様な植生を蘇らせられるように、シカさんの減らし方を考えていきましょう。

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