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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

#秩父多摩甲斐国立公園 70周年記念 第4弾!!

2020年09月10日
秩父多摩甲斐国立公園 源関絢

みなさん、こんにちは。

奥多摩自然保護官事務所の小林です。

【お知らせ】

#秩父多摩甲斐国立公園 70周年記念シリーズは第4弾(今回)までを、予定していましたが、

4回では魅力を伝えきれなくなったため、

次週、あと1回(第5弾)を追加してお届け致します!

さて、今回は

「遊び方教えます」

の回ですよー!

の前に、、

Q. この子犬は何犬のこいぬでしょうか?

A. 川上犬の子犬でした(スピード解答)

(出典元:子犬、成犬ともに川上村HPより)

秩父多摩甲斐国立公園内にある市町村で、唯一長野県の、川上村に伝わる「川上犬」です!

長野県の天然記念物にも指定されています。

額が広めで、おでこに縦線が入っているのが特徴です。

もとはカモシカ狩りに使われており、カモシカが生息する崖でも対応できるように、ヤマイヌ(ニホンオオカミ)と交配されたという話が残されているそうです。

川上村役場の隣にある建物では、川上犬保存会に飼育されている川上犬たちが見られます!

私も会いに行きましたが、けっこう気性が激しめでした。でもやっぱり犬はかわいい。

話を戻しまして!!

秩父多摩甲斐国立公園はどんなイメージがありますか?

恐らく「山」のイメージがかなり強いと思います。

航空写真で見ても、ほとんど山です。

実際に、登山やハイキング、動植物の観察を楽しみに来られる方が多く、私も山の風景をメインに紹介してきたと思います。

で!す!が!

秩父多摩甲斐国立公園は荒川、多摩川、笛吹川、千曲川の源流部にもなる

森と水の国立公園です。

渓谷・滝・沢・ダム湖と、水のあり方が豊富ゆえに、水辺の遊び方も色々あるんです!

夏といえば?水遊びですよね!(私だけ?)

水遊びといえば

ラフティングにカヌー、SUP、キャニオニング、沢登り、タイヤチューブ川下り(後ほど紹介)・・・

その中で、秩父多摩甲斐国立公園の地形を生かした遊びを3つ!お教えします!

[1]ラフティング

 (レンジャー自らラフティング体験@多摩川)

秩父多摩甲斐国立公園内では、多摩川(奥多摩)でラフティングが行われています。

その理由は奥多摩の渓谷の地質が関係しているんです!

■ラフティングに適している川要素←(多摩川の特徴)

・川幅が狭い

 ← 泥や砂が固まった地層(堆積岩)の中に硬い岩が挟まれており、谷がV字に深く刻まれている。

・水量が多い

 ← 雨量がそれなりにあり、それを蓄えて水を生み出す森がきちんと機能している。

・複雑な水流

 ← 奥多摩町内だけで高度差が1700mもあり、それがそのまま関東平野に流れ込む。

 はるか昔に海底に積もった地層が、勢いある水の浸食と岩の硬さの違いにより複雑な地形を作り出している。

どうでしょうか、びっくりするほど多摩川はラフティングにぴったりですね!

@エピソード

私もオーストラリアのタリー川で体験したことがありますが、多摩川の3倍くらいの水量と激流の中、川にもみくちゃにされて、とてつもなく楽しかったです。

奥多摩を拠点にラフティングを行っている業者の方達が、奥多摩の河原掃除をされていたりして、私はそれが自然に対しても地元の土地に対しても恩返しをされているように感じて、みんながそのような心をもって、自然と触れ合えられれば国立公園の未来は明るいと思いました。

[2]沢登り

シダクラ沢@奥多摩町(出典元:奥多摩ビジターセンター職員の方提供)

奥秩父の山塊は、雲取山から瑞籬山までおよそ35km ながーーく東西に続いていますが、お笑いのセンスのように、地質が東西で違うんです。

東側(奥多摩方面):山が深くて水量も多く、石灰岩が各所に岩脈となっている

西側(金峰山方面):花崗岩類の深成岩の分布が見られ、一枚岩で構成される沢が多い

東西どっちもの沢に行くと、しがみつく岩・水の深さの違いを、全身で感じられます。

@エピソード

私も屋久島で沢登りをしたことがあるのですが、ズボンのポケットに携帯を入れたまま川にザブン・・したので水没しました。

でもそんな悲しい思い出に負けないくらい、泳いだり飛び込んだりよじ登ったり、、沢登りは楽しい思い出になりました。

3つ目は少しユニークな遊び方!

[3]タイヤチューブ川下り

(出典元:東京裏山ベースHPより)

このエコツアーは「渓流どんぶらこ」という名前のエコツアーです。

一人一つずつ(今では貴重な)トラックのチューブに乗り、東京都檜原村の秋川渓谷の中を大自然に包まれながらゆらゆらザバーン!と流れていきます。

50年前くらいまでは村の子ども達おなじみの遊びだったものを、

地元の方のお話をもとに再現したそうです。

秋川渓谷を流れる秋川は、多摩川の支流ですが、1番目に紹介したラフティングを行っている多摩川は、この秋川と合流する前の場所です。

地質は多摩川流域と同じですが、多摩川と違って上流にダムが無いので、水量は少なめですが水がきれいなので、より自然に見とれながら楽しめると思います。

###さいごに###

雨が樹木をつたい、コケが潤い蓄え、根が土を支えてその土が水を運ぶ、

この大地の営みが作り上げた渓谷で、自然とその歴史を全身で体感できるアクティビティを、是非体験しに来て下さい!

夏が終わってしまう前に!